日本の人事部が提案する人材強化のアプローチと新しい働き方

2024年8月2日、企業の人事担当者が一堂に会し、新たな人材育成戦略と働き方に関する提言をする「HRカンファレンス」が開催されました。150名を超えるHRリーダーや専門家たちが参加し、企業が成長を遂げるためのアプローチについて熱心に議論を交わしました。

このカンファレンスは、日本の人事部が「HRラウンドテーブル」という新しい試みの一環として実施され、企業や学術界の枠を超えた知見を結集し、実践的な提言を行いました。これまでの人事の概念を覆し、今後の人事戦略の理解へと向かう重要な一歩となったのです。

重要なテーマと提言

いくつかの主題が取り上げられ、様々な提言がなされました。まず、「従業員エンゲージメント」について、参加者は従業員の積極的な関与が企業の成功には必須であると強調しました。エンゲージメントはただの数字ではなく、企業が具体的にどうアクションを起こすかが鍵であるという意見が多く寄せられました。

次に、「働き方」に関する議論では、従来の「働き方改革」から「働き方革新」へと進化させる必要性が挙げられました。多様な働き方が求められる中、企業と個人との関係性を新しく見直すことが重要だとされています。

また、「従業員体験」の向上も重要な提言の一つです。この観点から、企業が「選ばれる企業」になるためには、従業員にとって魅力的な体験を提供することが不可欠であるとの意見がまとめられました。従業員の体験をより良いものにするためには、デザイン思考と積極的な対話が必要です。

理念とカルチャーの浸透

社内外での「理念浸透」も重要なテーマとして扱われました。経営理念が効果的に定着するためには、それを語るリーダーの存在が不可欠であり、人事部門がこのプロセスで主導的な役割を果たすべきであるとの見解も示されました。

さらに、急速に変化するビジネス環境においては、「カルチャー変革」が企業戦略の推進における重要な要素とされ、これに取り組むべきだと強調されました。新しいカルチャーを作り出すためには、企業全体での協力と実践が必要です。

自律型組織とDXの重要性

近年注目を集めている「自律型組織」についても議論が交わされました。自律型組織を実現するには、企業としての一体感を保ちながらも、各メンバーが自由に意見を及ぼし合える文化をつくる必要があります。また、デジタルトランスフォーメーション（DX）人材の育成についても重要視され、デジタルスキルの強化が不可欠であると意見が統一されました。これからの時代には、全社員が専門的なデジタルスキルを身に着けることが求められるそうです。

人材ポートフォリオの活用

最後に、「人材ポートフォリオ」の活用が語られ、経営戦略と人材戦略が連動することが企業成長において如何に重要かが強調されました。人的資本経営を実現するために、客観的な情報に基づいた人材評価が求められます。

これらの提言が企業の人事戦略へどのように影響を与えるのか、今後が非常に楽しみです。人事部門は未来のために必要不可欠な役割を果たすことを期待されています。

「HRラウンドテーブル」は今後も継続して適宜議論を重ねていく予定で、次回は2025年1月28日に開催されます。より一層の進展を目指す日本企業にとって、見逃せないイベントと言えるでしょう。