新たな三次元位置情報技術の実用化
株式会社ブログウォッチャーとMetCom株式会社が共同で開発した「高さ情報による階層分離」技術が、実用化されました。この技術により、複雑な都市構造の中で、特定の「高さ」に関するデータのみを抽出することが可能になります。これによって、地域の課題解決やまちづくりにおいてEBPM(Evidence-Based Policy Making:エビデンスに基づく政策立案)を支えるデータ基盤がさらに強化されることが期待されています。
技術の背景と必要性
現在、自治体やエリアマネジメント担う団体は、人の流れを可視化するために位置情報ビッグデータを利用しています。しかし、従来の二次元位置情報(緯度・経度)では、利用者の移動が地上とペデストリアンデッキ、または特定のフロアと他のフロアのどちらかを区別しきれませんでした。そのため、正確なデータ収集や分析が難しく、政策立案の信頼性にも課題が残っていました。
このような問題を解消するために、「高さ情報による階層分離」技術が開発されました。この新技術は、三次元位置情報の中から高さ情報を使って、人流データを直接抽出することを可能にします。例えば、駅構内の人流データを地下、1階、各プラットフォームごとに分けることができます。
新技術の概要と利点
新たに実用化された「高さ情報による階層分離」技術は、三次元位置情報を駆使して、地上と地下における人流データを明確に分別し取得することができます。これにより、従来の推計方法に頼ることなく、客観性と信頼性の高いデータを簡単に得ることが可能となります。また、このデータは二次元位置情報と同様に扱うことができ、既存の分析ノウハウやツールを活用できるため、導入もスムーズです。
利用事例と期待
国土交通省の「令和7年度 三次元人流データを活用した課題解決等実証業務」において、この技術が活用される予定です。具体的には、駅周辺のペデストリアンデッキや駅ビル、地下街など、複雑な都市構造における人流分析が行われることが期待されています。これにより、地域のさまざまな課題を解決する手助けとなるでしょう。
三次元位置情報ビッグデータの仕組み
「三次元位置情報ビッグデータ」は、ブログウォッチャーが開発した「プロファイルパスポートSDK」を用いてスマートフォンから気圧情報を取得し、MetCom社の「Pinnacle」によって高さ情報に変換されます。この仕組みにより、全体で約3000万MAU(月間アクティブユーザー数)の位置情報データが活用され、信頼性の高いデータ提供が実現されます。特に「Pinnacle」は、建物内に特別な測定機器を設置することなく、高さ情報を得ることができるため、非常に柔軟性が高いシステムです。
会社概要
株式会社ブログウォッチャー
- - 位置: 東京都中央区銀座7-3-5 ヒューリック銀座7丁目ビル4F
- - 設立: 2007年4月
- - 事業内容: 位置情報データプラットフォームの開発と提供。
これからも、ブログウォッチャーとMetCom社の取り組みが続くことで、地域社会におけるデータ活用が進化し、利便性を高めていくことが期待されます。