中国の日系化学工業市場の動向と企業ランキングを発表しました

最近、リスクモンスター株式会社が発表した「中国における日系化学工業の市場動向」調査が注目を集めています。この調査は、同社の連結子会社である利墨（上海）商務信息咨詢有限公司によって行われ、2023年3月時点のデータを基にしたものです。

調査対象は、中国全土に展開する日本企業出資の化学工業関連の927社。リスクモンスターは、自社のデータベースを駆使して、日本企業ごとの企業数や地域ごとの分布、それに伴う売上高や業績の推移など、多面的に分析しています。

この調査で最も注目すべき結果として、日本ペイントホールディングスが企業数で1位に輝いていることが挙げられます。続いて住友化学が2位、DICが3位となっており、日本の化学工業界の強さが伺えます。この結果からも、日本企業が持つ技術力とブランド力が、中国市場での競争優位性を生み出していることが理解できます。

各業種の内訳を見てみると、プラスチック製品業が最も多く305社、全体の32.9%を占めています。2位のゴム製品業134社（14.5%）、3位の特定化学製品製造は98社（10.6%）と続いています。特に、プラスチック部品およびその他プラスチック製品の製造が121社と多く、急成長していることがわかります。

地域分布については、江蘇省、上海市、広東省が主要な拠点となっており、これらの地域には全体の7割弱の企業が集中しています。この傾向は、化学工業が石油や天然ガスといった原材料の調達を主に依存し、港湾に近い沿岸部に生産拠点が形成されやすいためです。

しかし、2023年の中国の化学工業全体の売上高は9.27兆元と前年に比べて2.7%の減少を記録し、利益は31.2%も落ち込んでいます。このような状況下、日系企業は中国本土の企業と競争しており、高価格帯の基礎製品の供給過剰といった課題に直面しています。今後、企業の成長には新技術の開発や既存技術の改善、環境対応型製品の開発が不可欠です。

リスクモンスターが提供したこの調査結果は、今後の市場戦略を見極める上で非常に重要なデータとなるでしょう。詳細な企業情報や今後の市場動向については、リスクモンスターチャイナのウェブサイトで確認できるので、ぜひチェックしてみてください。今後の中国における日系化学工業のさらなる発展を期待しています。