FLOSFIAとJSTの挑戦
2026-05-11 14:33:56

次世代パワー半導体開発の最前線:FLOSFIAとJSTの取り組み

次世代パワー半導体の開発への挑戦



最近、電力需要の急増によりエネルギー効率が求められる中、株式会社FLOSFIAが株式会社JSTの支援を受け、次世代パワー半導体の開発に取り組んでいます。このプロジェクトは、電力ロスの削減と低コスト化を目指し、α型酸化ガリウムと呼ばれる新たな材料に焦点を当てています。

日本の電力消費とロスの現状


AIデータセンターの急増や電気自動車(EV)、産業機器の高度化には、著しい電力消費の増加が伴っています。発電された電力は、そのままの形では使用できず、適切な電圧や電流に変換される必要があります。その過程で発生する電力ロスは、日本国内でも発電量の10%を超えると指摘されており、これをいかに減らすのかが重要な課題となっています。

パワー半導体の重要性


電力変換のプロセスでカギを握るのがパワー半導体です。このデバイスは、AIデータセンターや電気自動車、急速充電器など、さまざまなインフラで必要不可欠な存在です。従来のシリコン製パワー半導体は信頼性が高いものの、電力ロスが課題となっていました。対して、炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)といった新素材は高性能ですが、コストが高いため普及に苦しんでいました。

FLOSFIAの新しいアプローチ


FLOSFIAが開発しているのは、α型酸化ガリウム(α-Ga₂O₃)という新しい半導体材料です。この材料は高耐圧で、電力ロスを大幅に削減できる可能性を秘めています。さらに、FLOSFIAは京都大学との共同研究で生まれた独自の「ミストドライ®法」を活用し、低コストで高品質な半導体を大量生産できるという利点があります。この方法では、α型酸化ガリウムを含む液体を霧状にし、基板に供給することで、高品質な結晶を成長させます。

開発の目標


今回のJST支援を受けて、FLOSFIAは、耐圧600Vのデバイスをさらに強化し、1200V級の高耐圧パワーMOSFETの開発と性能実証を進めています。これにより、顧客企業に試作品を提供し、長期試験を重ねて信頼性を確認する予定です。これにより、AIデータセンターやEV用のインバータ、充電器など、さまざまな技術分野への応用が期待されています。

社会インパクトの予測


この技術が実用化されることにより、電力変換時のロスが低下し、全体の電力使用量が減少します。それに伴って、エネルギーコストとCO₂排出量の減少も見込まれています。FLOSFIAはAIデータセンターや電気自動車用設備、産業用電源などへの展開を考え、エネルギー効率が高い社会の実現に向け貢献していく意向です。FLOSFIAの取り組みは、「低損失・高耐圧・低コスト」の実現を通じ、新たなパワー半導体市場を生み出すことが期待されています。

開発の概要


1. 開発課題名:1200V10A級α型酸化ガリウムパワーMOSFETの開発
2. 技術シーズの創出に貢献した研究者:藤田静雄(京都大学名誉教授)
3. 開発実施企業:株式会社FLOSFIA
- 設立月:2011年3月
- 本社所在地:京都府京都市
- 代表取締役社長:四戸孝
- 事業内容:α型酸化ガリウムパワー半導体の開発・実装

この新しいプロジェクトが、エネルギー効率向上にどのように寄与するか、今後の展開に注目です。


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会社情報

会社名
国立研究開発法人科学技術振興機構(A-STEP実装支援)
住所
埼玉県川口市本町4-1-8川口センタービル
電話番号
03-5214-8995

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