東レ香港が挑むグローバルSCMの革新
アビームコンサルティング株式会社とCentric Softwareが協力し、東レ香港が既存のアパレル・繊維OEM事業におけるビジネスモデルを革新しています。この取り組みは、開発から生産準備までの業務を一体化し、グローバル規模での競争力強化を目指すものです。
市場環境の変化と課題
アパレル業界は、需要が変動しやすく、短サイクルでの対応が求められています。開発段階から生産条件を考慮した迅速な意思決定が不可欠ですが、複数の拠点や部門による複雑な業務構造がそれを妨げています。東レ香港はこの課題に直面し、SCMの中核拠点としての役割を強化するため、開発管理の基盤を刷新することを決定しました。
取り組み内容
アビームコンサルティングは、開発と生産準備の業務全体を見直し、分散していた情報とプロセスを再設計しました。具体的には、Engineering Chain全体を一貫して管理できる体制を構築。業務デモによる検証を経て、プロジェクトには「Centric PLM™」が採用されました。このPLMソリューションにより、情報の可視化や一元管理が実現され、業務プロセスの標準化が進められました。
特に以下の点が強化されました:
- - 設計、原価、進捗情報の統合管理
- - BOM(材料表)とBOP(工程表)を基盤としたデータの一元化
- - 新製品企画から生産準備までの業務プロセスの標準化
- - グローバル拠点間での開発状況の可視化
本取り組みの成果
これにより、従来別々に管理されていた部門・拠点が一元化され、Engineering Chain全体の俯瞰が可能になりました。Centric PLMを活用することで、情報をリアルタイムで把握できるようになり、次のような成果を上げました:
- - 拠点・部門間の情報分断の解消
- - 意思決定の迅速化
- - コミュニケーションロスの削減
- - 原価・収益管理の高度化
これにより、グローバル規模での開発力が強化されました。
今後の展開
今後の展望としては、蓄積されたデータを活用した業務のさらなる標準化・効率化が挙げられます。また、サプライチェーンや需給調整の連携強化も図っていく方針です。このデータ活用を通じて、東レグループのグローバル競争力をさらに高める施策が取られるでしょう。
各社のコメント
プロジェクトに関与する関係者の意見も注目です。東麗(香港)有限公司の岸耕太郎氏は、「多くの関係者が参加するプロジェクトには精密な調整が必要であり、アビームコンサルティングやCentric Softwareとの連携により無事に計画を完了できた」と語ります。
また、アビームコンサルティングの山中義史氏は、「アパレル・繊維OEM事業の環境が厳しい中、開発から生産準備までを見直すことが重要な取組みであった」とし、今後のデータ活用に期待を寄せています。
一方、Centric Softwareの営業本部長である橋永氏は、「PLMソリューションを提供することで企業の競争力を高めることができたことを誇らしく思う。今後もこのような革新が業界全体に広がることを願っている」と述べています。
このように、東レ香港のスムーズな組織改革は、アパレル・繊維OEM事業における新たな地平を開くものと期待されています。