STマイクロエレクトロニクスの新製品「STGAP3S」
STマイクロエレクトロニクスは、先ごろ次世代ゲート・ドライバ「STGAP3S」を発表しました。この製品は、炭化ケイ素(SiC)および絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)向けに最適化されており、さまざまな産業用途での信頼性を大きく向上させることを目指しています。
ギャルバニック絶縁技術の強み
STGAP3Sは、STが誇る最新のガルバニック絶縁技術を搭載しており、ゲート駆動チャネルと低電圧制御回路の間に、高い耐圧性を持つ絶縁を実現しています。具体的には、最大過渡絶縁電圧(VIOTM)が9.6kV、コモンモード過渡電圧耐性(CMTI)も200V/nsを備えており、信頼性の高い動作を保証します。
この技術により、空調システム、工場自動化、家庭用電化製品などでのモータードライブの性能が向上し、さらには充電ステーションや蓄電システム、太陽光発電用インバータなど多用途の電力・エネルギー機器でも対応が可能です。
柔軟な製品ラインナップ
STGAP3Sファミリには、10Aおよび6Aの電流に対応するバリエーションがあり、利用シーンに応じて適切な選択ができます。また、各モデルは、低電圧ロックアウト(UVLO)および非飽和(DESAT)検出機能を搭載しており、用途に応じた安全な運用が可能です。
特に非飽和(DESAT)検出機能は、外部パワースイッチの保護を担い、過負荷や回路短絡を防ぐための重要な役割を果たします。この機能によって、大きな過電圧スパイクを防ぎつつ、ターンオフ速度を最大化することができます。
診断機能の充実
STGAP3Sには、故障状態を検知するための2本の専用オープン・ドレイン診断ピンも装備されています。これにより、非飽和(DESAT)/ UVLO / 過熱保護状態が一目で分かるようになっています。
市場導入について
現在、STGAP3SXSモデルは既に量産体制に入っており、SO-16Wワイドボディパッケージで提供されています。価格は、1000個単位で約2.34ドルとなっています。この競争力ある価格は、多くの業界での普及を促進することでしょう。
STマイクロエレクトロニクスのビジョン
STマイクロエレクトロニクスは、世界中で50,000名以上のスタッフを抱え、持続可能な社会の実現に向けた半導体ソリューションの開発に取り組んでいます。約20万社を超えるクライアントと数千のパートナー企業と連携し、環境への負荷を抑えながら、進化し続けるテクノロジーを提供しています。2027年までのカーボンニュートラルを目指しており、今後の展開にも大いに期待が寄せられています。
詳しい情報はSTの公式ウェブサイトをチェックしてみてください。