シンガポールのアーティスト、ホー・ルイ・アンが魅せる都市の未来
公益財団法人大林財団が実施する《都市のヴィジョン─Obayashi Foundation Research Program》の第5回助成対象者、シンガポール出身のアーティスト、ホー・ルイ・アンがその新作レクチャーパフォーマンスを2026年4月4日に開催します。このプロジェクトは、都市をテーマにしたアーティストの才能を支援し、これまでの都市計画とは異なる新しい視点から都市像を再提示することを目的としています。
ホー・ルイ・アンは現代美術、映画、パフォーマンス、理論という多岐にわたる領域で活動しており、これまでにアジアの経済史や植民地主義、グローバル資本主義のナラティブを批判的に探求してきました。今後のプロジェクトでは、東・東南アジアの商業・金融のハブを起点に、グローバル経済史の再解釈を試みます。この活動を通じて、彼は都市の構造がどのように現代と繋がっているのかを考察します。
リサーチのテーマと手法
本プロジェクトでは、特に「金」に焦点を当て、1897年に始まった日本の金本位制を起点として1890年代から1940年代の日本の金融史を探ります。ホーは東京、大阪、佐渡を訪れ、文献調査や歴史資料、アーカイブ映像、近代産業遺産の調査を行っています。また、同時代に成長した無声映画や公共キャンペーンにも注目し、文化芸術がいかに権力と結びつき、利用されてきたのかを検証しています。
ホーの実践は、歴史、金融、文化芸術の複雑なネットワークを通じて都市を捉える新たな試みです。彼は、この研究成果を2026年に日比谷図書文化館で発表し、既存の歴史的ナラティブをホー自身の視点で再解釈する様子が期待されています。
新作レクチャー・スクリーニングの詳細
2026年4月4日、日比谷コンベンションホールで開催されるレクチャー・スクリーニング『The Price of Gold』では、これまでに収集したアーカイブ資料や映像をもとに、当時の金本位制に関連した文化的な側面を探求します。入場は無料で、事前予約を通じて参加が可能です。
ホー・ルイ・アンの作品は、歴史的文脈に基づきながらも現代的な視点を取り入れています。彼が提起する「金」というテーマは、単なる経済的側面だけでなく、社会的認識や文化的背景と深く関わっています。このプロジェクトは、観客に対しても新しい視点や考えを提示することでしょう。
これからの展開と期待
この助成事業は、アーティストが歴史をどのように読み解き、現代の都市にどのような影響を与えるかを考える重要な機会を与えています。ホー・ルイ・アンの視点から提示される都市のあり方や文化的背景は、私たちが住む都市の未来に対して重要な示唆を与えることでしょう。芸術と社会、経済がいかに交わり、影響し合っているのかを新たに考える機会をぜひお見逃しなく。