俳優・齊藤工が発案した移動映画館が文化庁長官表彰を受賞

移動映画館「cinéma bird」が受賞

俳優で映画監督の齊藤工氏が提案した移動映画館「cinéma bird」が、令和6年度文化庁長官表彰を受賞しました。この表彰は、文化活動に優れた功績を示した人や団体に贈られるもので、齊藤工氏の活動が評価されたことを意味します。

10年間の歩み

「cinéma bird」は、2014年に東日本大震災の影響を受けた宮城県石巻市で初めて開催されました。この活動は、被災地や映画館がない地域の子供たちや住民に、同じ空間で映画鑑賞を通じて感動を共有する劇場体験を提供することを目的としています。これまで、福島や熊本、北海道、愛媛など、さまざまな地域での開催がありました。

受賞式の様子

2024年12月17日、京都ブライトンホテルにて行われた表彰式に齊藤工氏が登壇しました。黒いスーツ姿の彼は、やや緊張した面持ちで関係者に敬意を表しながら、文化庁長官から表彰状を受け取りました。表彰を受けた彼の喜びの表情が印象的で、「この栄誉に感謝し、私一人の力ではなく、多くの方々のサポートがあってのことだ」と謝辞を述べました。

自身の思いと活動の意義

受賞の言葉の中で、齊藤工氏は、「プロジェクトの起源は東日本大震災で、当時、自分に何ができるのかと苦しみました。被災地の方々から『娯楽が欲しい』という声を聞き、それに応える形で始めました」と心の内を語りました。彼にとってcinéma birdは心を満たすためのライフワークであり、こうした活動が地域に根ざした持続可能な文化芸術活動のモデルケースとなることを願っています。