住友生命とNTTドコモビジネスの最新の取り組み
住友生命保険相互会社とNTTドコモビジネス株式会社は、健康増進プログラム『Vitalityスマート』において、大規模言語モデル(GPT-4o)とAIアバターを組み合わせた新たな取り組みを開始しました。今回のプロジェクトでは、個々の利用者の趣向に応じたアプローチを通じて、運動や健康への関心が高まるかどうかを検証することが目的です。
実施の背景
住友生命が展開する健康増進型保険『Vitality』は、2018年の発売以降、多くの支持を受けてきました。新たに導入された『Vitalityスマート』は、特に150万以上の顧客に利用されており、今後もこの機会を通じて健康意識の向上を目指しています。住友生命は、各ユーザーのニーズに対するきめ細やかなアプローチが成功の鍵であると考えており、そこに生成AIの技術を活用することで、より効果的なメッセージの提供を試みています。
本実証実験の概要
この実験は2024年の10月から2025年の1月にかけて行われ、AIアバターがどのようにユーザーの健康意識に影響を与えるかを評価しました。特に注目されるのは、利用者との対話を通じて運動への関心を5段階で評価し、その結果に基づいて個別の運動提案を行うという点です。この方法により、87%の利用者がサービスの提案に良い印象を持ち、40%が『Vitalityスマート』の魅力が向上したと感じました。
AIアバターの有用性
本実験には、最先端のAIアバター技術を提供するD-ID社のアバターが用いられました。アニメーションからリアルな人間まで、さまざまなスタイルを展開し、対話の好感度や対話意欲向上にどのように寄与するかが評価されました。その結果、AIが自然な外観と動きを持ち、ユーザーの対話意欲を高めることが確認されました。
安心できる対話の技術
さらに、NTTドコモビジネスが開発した『chakoshi』というガードレール技術を用いて、安全にユーザーと対話を行うことができるかどうかも検証されました。この技術は、悪意のあるテキストの出力を防ぐ機能を備え、高い検出率を実現しました。今後はこれを活用して、より安心して対話ができる環境を整える方向に進む予定です。
今後の展開
この実証実験の成果を受けて、住友生命とNTTドコモビジネスは、今後『Vitalityスマート』の実用化を推進し、他のサービスにも生成AIを応用することを検討しています。最終的には、高度な対話型AIとしてユーザーのニーズに即応できるサービスを提供し続けることを目指しています。両社の取り組みは、今後も健康意識の向上に寄与し、より多様なニーズに応える形で進化することが期待されます。