クレディセゾン、全社員をAIワーカー化する「CSAX戦略」始動
株式会社クレディセゾン(以下、クレディセゾン)は、全社員3,700人をAIワーカーとして育成する新たな取り組み「CSAX戦略(Credit Saison AI Transformation)」を発表しました。この戦略は、ビジネスプロセスの根本的な再設計を目指し、2027年度末までに累計300万時間の業務削減を達成することを目指しています。ここでは、CSAX戦略の目的やそれに伴う取り組みについて詳しく紹介します。
AIネイティブな職場を目指す
クレディセゾンは、2019年からデジタル変革に取り組み、特にAI技術の導入を進めてきました。これまでのCSDX戦略の成果を元に、今後は全社員がAIを容易に活用できる文化を築いていく方針です。AIが普及する現代において、生成AIを活用することが業務の当たり前になり、全ての社員がAIを業務に取り込むことで、業務の効率化を図る狙いがあります。
ChatGPT Enterpriseの導入
CSAX戦略の一環として、クレディセゾンはOpenAIが提供するChatGPT Enterpriseを全社員に導入しました。この導入後、約300人の役員を対象に実施したパイロットプログラムでは、従業員1人あたり年間170時間の業務削減効果が期待できることが確認されています。この成果を受けて全社員がChatGPT Enterpriseを使用し、さらなる業務効率化とイノベーションを促進することになりました。
業務の再設計とAIフレンドリーな環境作り
CSAX戦略ではAIを単なる業務の自動化ではなく、業務全体を根本から見直すことを重視しています。「人間かAIか」の選択肢ではなく、「AIによる支援を受けながら人間が本来の役割に専念できる業務環境」を構築する方針です。また、2028年にはAIコールセンターのサービス開始を目指し、音声認識技術を活用したAIによる応答の自動化を進める計画もあります。
AIガバナンスの確立
AIを安全かつ効果的に活用するためには、適切なガバナンスが不可欠です。クレディセゾンはAI開発の指針やポリシーを策定し、実績のあるモニタリング・ルールを整備することで、リスク管理と透明性を高めています。AIワーカーの育成プログラムも開始し、従業員がAIを積極的に利用できるよう環境を整えることを目指します。
未来を見据えた取り組み
クレディセゾンは、CSAX戦略を通じて全社員がAIを利用する文化を醸成し、業務効率化を進め、さらには新たな価値創出に繋がるイノベーションを推進しています。代表取締役社長の水野克己氏はこの戦略に対して「社員の思考や創造性を支え、業務の質を高める強力なパートナー」とAIの重要性を語っています。また、OpenAIの長﨑忠雄氏も「生成AIが業務効率向上に貢献する」と期待を寄せています。これらの努力がどのような未来を切り開くのか、今後の展開に注目が集まります。
結論
クレディセゾンの新たなCSAX戦略は、全社の業務をAIを前提に再設計し、人が本来の能力を発揮できる環境の構築を目指しています。今後数年にわたり、業務効率化とイノベーションの進展が期待されるこの取り組みは、金融サービス業界におけるAI活用の先駆けとなることでしょう。