脱炭素を身近にする「Earth hacks」の取り組みと意義
脱炭素社会への移行は、私たちの未来にとって非常に重要なテーマとなっています。そんな中、生活者一人ひとりのアクションを促す「Earth hacks」という共創型プラットフォームが、注目を集めています。この取り組みでは、製品が排出するCO2相当量や、それを従来商品と比較した削減率をわかりやすく提示し、消費者が自身の選択で地球環境に与える影響を実感できるよう工夫されています。
「Earth hacks」は、博報堂と三井物産が共同で立ち上げたプロジェクトで、現在11のアパレルブランドや2つの食品・酒類メーカー、さらにはインテリアブランドが参加しています。これにより、様々なジャンルの製品を通じて、消費者に具体的な削減データを示し、選択肢を提供しています。たとえば、アパレルブランドの「京都紋付」は、自社の製品のCO2e削減量を公表しており、消費者はその数字を基に選択行動を行うことができます。
CO2e削減量の可視化で選ばれる理由
従来の企業ベースでのCO2排出量の可視化は多く行われてきましたが、消費者が日々の生活の中でどれだけの削減に貢献できるかを示すデータはまだ不足していました。「Earth hacks」では、スウェーデンの技術会社「Doconomy」というインパクトテック企業が提供するカーボンフットプリント計算ツールを用いて、各商品の環境負荷がどれほど軽減されているかを数値で示しています。これにより、消費者は購入した商品がどの程度脱炭素に寄与しているかを明確に理解できるのです。
例えば、現在販売中の商品の中には、平均で約40%のCO2e削減が実現されているものがあり、最も削減率の高い商品は実に78.9%もの削減を可能にしています。さらに、これらの商品はカーボンオフセットの制度を導入しており、実質的にカーボンフリーとすることが見込まれています。
生活者の声を大切に
「Earth hacks」は、生活者が気軽に参加できることが重要だと考えています。実施された調査によると、脱炭素について興味を持つZ世代が多い中、実際に行動に移せていないという現実があります。その理由の一つに、「具体的に何をすれば良いかわからない」という声が挙げられています。そこで「Earth hacks」では、生活者のニーズを把握し、その声をサービスや商品の開発に活かしています。これにより、消費者自身が「自分にもできること」を見出し、楽しみながら脱炭素に取り組むことができる仕組みを作ることを目指しています。
今後の展望
今後はアイデアソンやZ世代ソリューションの開発も進め、プラットフォームをさらに拡充していく計画です。「Earth hacks」は、単なる商品の紹介だけでなく、生活者との協働を通じて新たなビジネスやサービスの創出を目指しています。脱炭素社会の実現は、一人ひとりの小さな選択から始まります。「Earth hacks」を通じて、環境に対する理解を深め、行動を起こすきっかけが提供されているのです。
このように、脱炭素を身近に感じられる「Earth hacks」は、我々の生活に新たな選択肢を提供し、より良い社会の実現に向けた大きな一歩となることが期待されています。詳しい情報は、
Earth hacksの特設サイトや
Instagramアカウントでご確認ください。