36協定の休日欄を知ることで避けられるリスクとは

労働環境の整備は企業にとって欠かせない要素です。その中でも36協定は重要な指針となります。最近、特に注意が必要なのが、36協定の「休日欄」の記入方法に関する誤解です。多くの人事担当者が「休日欄」を「就業時間」で記入してしまいがちですが、これは法令に違反する恐れがあります。この点を深く掘り下げて解説します。

36協定と休日欄の重要性

36協定は、労働者が働ける時間の上限を設定するもので、適切な運用が求められます。特に休日の労働については慎重に記入しなければなりません。休日欄に必要なのは、実態に即した「働く可能性のある時間帯」の明記です。これを制限した記載にしてしまうと、結果として労働者を未許可の時間に働かせるリスクが生じます。

休日欄と平日欄の違い

平日欄と休日欄では、その記入内容が全く異なります。平日欄では時間数を記入しますが、休日欄は「時間帯」を記載する必要があります。この誤解から、時間数を記入してしまうことが多いのですが、これは法律上の不備となります。労務管理を行う上で、正しい知識を持つことは不可欠です。

記載内容のズレがもたらす影響

記載内容と実態が合致しない場合、企業には重大な指摘が入る可能性があります。実際に早朝や深夜に働かせた場合、法令違反として厳しい責任が問われます。したがって、休日欄の記入は特に注意が必要であり、労働者を守るためにも適切な運用が求められます。

労使合意の履行義務について

36協定の届け出は「許可願い」ではなく、労使合意の履行義務として理解する必要があります。これは文書を記載する際の責任を伴い、誤った記載内容が訴訟や監査で問題になるケースも考えられます。

セミナー開催のご案内

このような経緯から、2025年12月5日には一般社団法人クレア人財育英協会主催のセミナーが開催されます。企業の人事担当者や労務管理に関心がある方々を対象に、36協定の正しい理解を促進する内容となります。講師として登壇するのは特定社会保険労務士の小野純氏。彼は400回以上のハラスメント・労務研修に携わった実績を持ち、実践的な講義に定評があります。この機会に、正しい知識を得て労働環境の改善に繋げていただきたいです。