生理に関する意識と実態調査：つらさを理解し合う社会へ

近年、女性の生理やPMS（月経前症候群）に対する理解が求められています。株式会社ツムラは、2021年に始まった「#OneMoreChoiceプロジェクト」の一環として、全国の20代〜60代の男女3,000人を対象に、生理に関する意識と実態調査を実施しました。調査の結果、約9割の人が生理に伴うつらさの理解が必要だと感じていることが明らかになりました。

調査概要

この調査は2025年5月30日から31日の間に、インターネットを通じて実施され、1,500人の女性と1,500人の男性が回答しました。回答者の68.5％が生理・PMSによる「隠れ我慢」を経験し、56.8％は周囲からの理解が不十分な症状があると訴えています。特に生理・PMSに伴うつらさが日常生活に影響を与えると考える人の9割以上が、これは人によって異なることを「知ってもらいたい」と述べています。

生理・PMSの影響

生理を経験したことのある約6割の人が、PMSによるつらさが「日常生活に影響あり」と回答しています。具体的には、32.7％が「通常通り生活できるが多少のつらさを感じる」、19.4％が「通常とはいかないが日常的な活動は可能」、5.8％が「寝込んでしまう」と感じていることがわかりました。この結果は生理・PMSがいかに個々の日常生活に密接に関わっているかを示しています。

コミュニケーションの課題

また、周囲に対して生理・PMSのつらさを伝えにくいと感じている割合も高く、72.0％が「伝えにくい」と述べています。その理由としては、「症状を分かってもらえない」との不安や「気を遣わせたくない」という気持ちが挙げられます。これは、周囲の人々が生理に関する知識を持たないことからくる誤解や無理解が背景にあると考えられます。

生理・PMSの症状の多様性

調査により、普段生理・PMSの症状として「イライラ感」「腹痛」「眠気」が多いとされました。しかし、これらの症状が周囲に理解されにくいことも問題です。生理の症状には多様性があり、それに対する認識も男女間で差があります。調査によれば、男性は生理・PMSの症状として認識している種類が平均3.5種類であるのに対し、女性は平均7.3種類と約2倍の差があることが示されました。

周囲の理解がもたらす安心感

生理・PMSに伴うつらさが日常生活に影響を及ぼすと回答した人の92.1％は、これを知ってもらう事が「助けになる」と答えています。この理解があれば、困ったときに助けやすい環境が整うことが期待されます。「無理しなくていい」といった言葉が効果的であることもわかりました。周囲の配慮が、女性たちにとってどれほどの安心感を与えるかは計り知れません。

未来への提言

調査結果を基に、今後は生理・PMSについての認知をさらに推進し、教育や制度の整備が求められます。生理を「我慢するもの」とする社会の風潮を変えるために、「症状に関する知識を広める」「生理の話をオープンにする」ことが重要です。適切な知識の普及と、日常生活での理解を深めるための施策が急務です。

この問題は一人ひとりの生活に深く根ざしたものであり、私たち全員が理解と配慮を持って接することが求められています。未来には、生理やPMSを理由に我慢することが必要ない社会が実現されることを願っています。