ARI、DX市場における更なる成長に向けPROを完全子会社化
ARアドバンストテクノロジ株式会社(ARI、証券コード5578)が、株式会社ピー・アール・オー(PRO)の全株式を取得し、完全子会社化することを発表しました。2024年11月29日付けで株式譲渡が実行される予定です。
株式取得の背景:DX市場における成長戦略
ARIは、企業のDX化支援を事業の中核として、デジタルシフト、クラウドシフト、データ・AI活用支援などのサービスを提供しています。2023年6月に東証グロース市場に上場し、更なる事業成長を目指してM&Aを含む積極的な経営戦略を展開しています。
一方、PROは、大規模システム開発やスマートフォンアプリ開発に加え、BtoC向けのデジタルコンテンツ事業やソリューション事業を展開。多くの顧客基盤を持つPROは、更なる成長に向けた強力なパートナーを探していました。両社の事業シナジー効果に着目し、今回の株式取得に至ったとARIは説明しています。
シナジー効果:3つの成長戦略
今回の買収によって期待されるシナジー効果は大きく3つあります。
1.
DX市場での収益拡大: ARIのクラウド技術とデータ・AI活用領域の強みと、PROの大規模システム開発実績を組み合わせることで、顧客への提供価値向上と大規模案件受注増加を目指します。
2.
エンジニアリング体制の強化: PROの経験豊富なエンジニアの参入により、ARIのエンジニアリング体制は大幅に強化されます。東京、大阪、名古屋に拠点を持つARIと、神奈川、東北エリアに複数拠点を持つPROの連携により、全国規模でのデジタル人材採用活動の強化も期待できます。
3.
事業ポートフォリオの拡大: PROのデジタルコンテンツ事業やソリューション事業における実績と知見を活かし、ARIはBtoC領域への事業拡大を図ります。また、PROはARIのクラウド技術やデータ・AI活用領域を新たな事業ドメインとして獲得します。相互補完的な関係性により、既存顧客へのクロスセルやアップセルによる収益拡大も期待されます。
今後の展望:持続可能な成長と顧客満足度向上
ARIとPROは、このパートナーシップを通じて、オーガニックな成長とシナジー効果による成長加速を目指します。両社は、顧客の課題解決と価値創造に引き続き取り組んでいくことを表明しています。
両社代表のコメント
PRO代表取締役社長の大高潤氏は、今回の提携によってシステム開発事業においてワンストップで高品位なサービス提供が可能になると述べ、関係者すべてに新たなチャンスをもたらすと期待を表明しました。
ARI代表取締役社長の武内寿憲氏は、PROのシステム開発実績やBtoC領域における知見が、ARIの既存事業と相乗効果を生み出し、新たな事業ドメインの創出と社員の成長機会につながると確信を示しました。
PROの概要
PROは、Web技術をベースとした大規模システム開発、独自デジタルコンテンツの開発・販売、ソリューション提供をワンストップで提供する企業です。Web3、ブロックチェーン、IoTなど、新しい技術分野にも積極的に挑戦しています。
設立: 1990年12月17日
所在地: 神奈川県横浜市中区山下町123-1
従業員数: 133名(グループ全体、2026年10月31日現在)
ARIの概要
ARIは、クラウド技術とデータ・AI活用によるDXソリューションを提供する企業です。クラウド総合活用支援サービス「cnaris」とデータ・AI活用支援サービス「dataris」の2つのブランドを展開しています。
設立: 2010年1月
上場市場: 東京証券取引所 グロース市場(証券コード:5578)
従業員数: 523名(社員)、600名(グループ社員、2024年8月31日現在)
今回の提携は、日本のDX市場における大きな動きであり、今後の両社の成長に注目が集まります。