ペットカート、普及の鍵を握る市場調査
ペッツオーライ株式会社が提供するペットとのお出かけ支援アプリ『Wan!Pass(ワンパス)』は、全国のユーザーを対象に『ペットカートの利用実態』に関する調査を行いました。ペットツーリズムが注目を集める中、利便性や飼い主のマナー向上を目指すペットカートの需要はどう変化しているのでしょうか。実際のデータをもとにその実情を掘り下げます。
調査概要
Wan!Passの登録ユーザー2,577名を対象とした調査は、2025年4月20日から4月22日に実施されました。調査手法はインターネットを活用し、多様な視点からの回答が集まりました。
利用率は56%:都市部での普及が顕著
調査によると、ペットカートを利用していると回答した人は56%に上ります。一方、未利用とした層が34.8%、購入を検討中が6.6%、存在を知らなかったとの回答が2.6%となっており、まだ4割の人々がペットカートを活用していないことが分かりました。特に都市部では、カフェや百貨店での入店時に便利だとする意見が多く、生活の一部として受け入れられつつある様子が伺えます。
地域間の認識の差:都市部と地方
地域別のデータでは、関東や近畿では利用率が高く、それぞれ59.7%と55.4%に達しますが、地方に目を向けると大きな格差が見えてきます。九州や東北ではそれぞれ42.7%、45.0%と、ペットカートの必要性を感じていない層が多いことが課題です。特に、車移動が主流である地方故にペットカートが必要だと感じられないという意見が多数寄せられています。
多頭飼いのニーズが顕在化
飼育している犬の頭数が多くなるにつれて、ペットカートの利用率も増加傾向にあります。1頭飼いの場合の利用率は52%ですが、2頭以上で70%、4頭以上ではなんと83%に達します。このことから、多頭飼育者にとってのペットカートの重要度が高まっていることが分かります。
若年層の課題:認知度と必要性の低さ
年代別に見ると、60代の利用率が最も高く、59.4%に対し、20代は「必要性を感じない」「知らなかった」との意見が散見されました。若年層に向けたマーケティング戦略を強化することが求められています。SNSを活用したアプローチは、若年層に向けて新たなマーケット創出につながる可能性があります。
大型犬向けの選択肢不足
大型犬のペットカート利用率は22.7%と低く、この原因として「選択肢が少ない」という課題が挙げられます。特に、大型犬向けに持ち運びやすいサイズのカートが不足しているため、開発が期待されます。
ペットカートの役割の変化
ペットカートは今や「おしゃれツール」から「社会マナー」を意識するアイテムへと変貌を遂げています。一部の飼い主だけが使用していた時代は終わりを告げ、今や特定の施設入店や移動時の配慮として求められています。利用率56%という結果は、ペットカート市場のさらなる成長や啓発活動の必要性を示唆しています。
まとめ
ペッツオーライでは、ペットとの共生を目指し、ユーザーや自治体と連携した情報発信を続けてまいります。将来的には、ペットと飼い主のより良い関係を築くために、様々なサービスの充実も視野に入れています。今後の動向に注目が集まる中、ペットカートの普及活動がどのように進展していくのか、引き続き見守りたいと思います。