北海道むかわ町での画期的な発見
北海道むかわ町の穂別地区で、約8000万年前に遡る中生代後期(白亜紀カンパニアン期)の地層から、前例のない新種の介形虫が発見されました。この研究は、熊本大学の田中源吾准教授とむかわ町穂別博物館の西村智弘学芸員から成る研究チームによって行われました。その結果、1つの新属と6つの新種が命名され、近年の日本での地層研究において重要な成果となっています。
研究の背景
この発見は、北海道むかわ町の穂別地区の地層から生じたもので、科学界において期待される大きな意義を持っています。今まで日本では観察されてこなかった新種の介形虫が、ここで見つかるというのは革新的であり、特に白亜紀の地層が持つ環境や生態系についての核心を深めるものとなります。
新しい発見
研究で特筆すべきは、「ホベツシセレイス・オオタツメアイ」(Hobetsucythereis ohtatsumei et sp. nov.)と名付けられた新属の介形虫です。この新種は、眼の相対直径のデータから推計された古水深が150 ± 20 mに達することが示唆されています。これは、この地域の海が栄養豊かで生物多様性に富んだ状態であったことを示しています。
生物地理学的意義
本研究を通じて、今回の発見により、西太平洋地域は独自の生物地理区を形成することが明らかになりました。グローバルなスケールで見ると、カンパニアン期の介形虫群は5つの地域に分類され、さらにいくつかの亜地域に分割されることが示されています。特に注目すべきは、今回の新種が特に栄養豊かな環境で発見されたという点です。これにより、当時の生態系がどのように機能していたのか、より具体的な情報を得ることができるでしょう。
研究の意義と今後の展望
この発見は、古生物学界における重要な一歩として位置付けられ、西太平洋地域における生物多様性の理解に寄与しています。今後、古地理や古気候学的なデータも含めて、この地域の生物地理的特性を深く探求し続ける必要があります。
論文情報
この研究成果は、2025年12月5日に英文学術雑誌『Geological Journal』にて発表される予定です。論文のタイトルは「Late Cretaceous (Campanian) shallow-marine ostracods from northeastern margin of Asia—palaeoenvironment and biogeographical significance」です。著者は田中源吾(熊本大学准教授)と西村智弘(むかわ町穂別博物館学芸員)です。
まとめ
北海道むかわ町の新種介形虫の発見は、日本の古生物研究における新たな礎石となり、当時の生態系や環境の理解を深める貴重な資料となることでしょう。今後の研究によって、さらに多くの側面が明らかにされることが期待されます。