目標を捨て、チャンスをつかむ経営戦略とは?
2026年6月5日、大阪経済大学にて特別講演が行われ、平安伸銅工業株式会社の代表取締役、竹内香予子氏が登壇しました。この講演のテーマは「『わらしべ長者の経営学』目標を捨てて、目の前のチャンスを化けさせる」。経営学部の主催で、大経大アントレプレナーシップ塾との共同開催でした。参加者は約200名にのぼり、学生だけでなく社会人も多く集まりました。
竹内氏は1982年生まれで、大学卒業後は新聞社で取材記者としてのキャリアを積みました。2010年に平安伸銅工業に入社し、2015年には父の後を受け継いで3代目の代表取締役として活躍しています。彼女は「つっぱり棒博士」として知られ、同社の主力製品であるつっぱり棒の普及を推進するほか、様々な新ブランドの開発にも力を入れています。
わらしべ長者の思考法
講演の中で竹内氏は、成功を収めるためのアプローチとして、野球選手の大谷翔平選手とYouTuberのHIKAKIN氏を取り上げました。大谷選手は「マンダラチャート」を活用した目標設定で知られ、成功に至るまでの計画的な逆算アプローチが特徴です。一方でHIKAKIN氏は、YouTuberという職業が確立されていない状況での偶然のチャンスをきっかけに、新たな道を切り開きました。竹内氏はこのHIKAKIN氏の進め方を「わらしべ長者のやり方」と称し、身近な価値を次のチャンスに繋げる思考を提唱しました。
この「わらしべ長者」という考え方は、無理なく自然な形での発展を促します。竹内氏は「あらゆる成功を一つの方向から見るのではなく、目の前にある小さな機会を拾い上げ、つながりを重視することが大事」と強調。彼女自身がケーキ屋からメディアを経て、現在の業務にたどり着いた経緯もその一例であり、彼女の視点を成長の糧にしています。
日常生活と幸せの追求
竹内氏は、自身の経験を通じて「暮らすがえ」を提唱し、家族と過ごす時間や自らの興味を大切にすることがビジネスにもつながると実感しています。「日常生活が幸せだと思える社会をつくり、必要なプロダクトを生み出したい」との想いが彼女のビジョンです。スティーブ・ジョブズがかつて語ったように、失敗は次のチャンスに繋がる重要な教訓であると竹内氏は考えています。
仕事と家庭のバランス
対談形式で進められた質疑応答では、竹内氏が仕事と家庭のバランスについて語りました。「家庭の時間を確保した上で、どれだけやりたいことを達成できるかを考える」と彼女は語り、逆算で物事を進めることが求められると苦笑いします。彼女は仕事選びや働き方について、「選択肢があり、自分で選べることが大事」と強調しました。
結論
講演を通じて、参加者たちは自らの人生をより良い方向に切り開くために必要なのは、目の前のチャンスを見逃さないことだと気付かされたのではないでしょうか。竹内氏の考え方は、直線的なキャリアだけが成功ではないと示し、多様な選択肢から自身の道を見つけることの重要性を伝えました。彼女のメッセージは、未来へ向かう不安を抱える多くの人々に新たな視点を提供するものでした。