千葉興業銀行が電子交付システムを導入し業務効率化を実現
千葉興業銀行がウイングアーク1st株式会社の提供する電子帳票プラットフォーム「invoiceAgent」を導入した。これにより、同銀行はインボイス制度に対応する電子交付システムを構築し、郵送コストの削減と業務の効率化を実現した。具体的には、年間約20万通に及ぶ郵送業務を省略することができ、経費削減効果も大きい。
インボイス制度に対応した電子交付システム
今秋に施行されたインボイス制度に合わせて、千葉興業銀行は手数料や領収書の郵送を必要とする業務フローを見直した。従来の郵送による領収書や各種計算書の発行作業を、「invoiceAgent」を通じて電子的に行うことが可能になった。これにより、毎月約2万通、年間で20万通の印刷、封入、郵送業務が不要になり、さらに郵便料金の値上げによるコスト影響を軽減することができた。
取引先は、簡単に「invoiceAgent」にアクセスして、必要な領収書や計算書を迅速に取得可能となる。これにより、郵送を希望する企業に対しては、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を活用した郵送サービスが提供され、電子と郵送のハイブリッド運用が実現した。
投資信託販売に関するOCRシステムの導入
さらに、千葉興業銀行は投資信託販売に関連するOCR(光学式文字認識)システムの構築も行った。これにより、現在のシステム環境の更改を行いながら、コスト削減に成功した。具体的には、従来のシステム費用の約4分の1に抑えることができ、システムの構築には「invoiceAgent OCR」、「MotionBoard」、「Dr.Sum」を組み合わせた新しいアプローチを採用した。これにより、高い文字認識率が実現され、業務の迅速化が図られた。
支店でも、スキャンされたデータの進捗状況をリアルタイムで確認できるため、全体の業務効率が向上した。
本部および支店間の報告業務の改善
千葉興業銀行では、各支店から本部に対する報告業務の集約も見直された。従来は、メールで送られたExcelファイルに基づいて集計を行っていたため、報告作業が煩雑であった。これを解消するため、BIツール「MotionBoard」を導入し、2022年8月から運用を開始した。この結果、報告にかかる業務負担が大幅に軽減され、リアルタイムでデータを把握できる環境が整った。
継続的な業務改善への取り組み
千葉興業銀行のデジタルイノベーションへの取り組みは、効率化だけでなく、ペーパーレス化や業務負担の軽減にも寄与している。これにより、データを基にした迅速な意思決定が可能となり、経営の敏捷性が向上している。来たる「FIT2024」セミナーでは、デジタルイノベーション部の菊池氏が具体的な取り組みについて詳しく解説する予定だ。参加者は新しい事例を通じて、他の金融機関におけるデジタル化の要点を学ぶことができるだろう。
千葉興業銀行の継続的な技術革新の試みと業務効率化は、今後の金融業界における重要な指針となっていくに違いない。