富士通、豪州大学と量子協業
2024-07-04 10:44:54

富士通とオーストラリア国立大学、量子コンピューティング分野における協業強化へ - イノベーションと人材育成を推進 -

富士通とオーストラリア国立大学、量子コンピューティング分野で協業強化へ



富士通オーストラリアは、オーストラリア有数の高等教育機関であるオーストラリア国立大学と、量子コンピューティング分野におけるイノベーションと人材育成を推進する覚書を締結しました。この協業により、両者は量子コンピューティング分野における研究開発を加速させ、世界をリードする存在を目指します。

# 覚書の内容と今後の展望



本覚書に基づき、富士通オーストラリアは、日本に設置された富士通の量子シミュレータなどの量子コンピューティング技術を活用して、オーストラリア国立大学の研究者向け教育プログラムの開発を支援します。さらに、将来的には両者は共同研究組織を設立し、オーストラリアの研究者や政府機関、業界専門家が量子コンピュータ技術を開発できるよう支援するため、オーストラリア国立大学内に量子コンピュータを設置する検討を進めていきます。

オーストラリア国立大学内に設置予定の量子コンピュータは、オーストラリアの専門家に新興技術を活用できる環境を提供し、暗号、材料科学、量子シミュレーションなどの分野における高度な研究を可能にするものです。

# 世界をリードする量子コンピューティング技術



富士通は、量子コンピューティング分野において、超伝導量子コンピュータと量子シミュレータを連携させたハイブリッド量子コンピューティングプラットフォームの開発を進めています。また、量子化学計算分野をはじめとする量子アプリケーションの開発にも注力しており、日本ベンダーとして初めて商用量子コンピュータシステムを受注しました。さらに、理化学研究所と協力して、2025年3月には256量子ビット、2026年度には1,000量子ビット超の超伝導量子コンピュータを開発する計画を策定しています。

# グローバルな連携によるイノベーション



富士通オーストラリアのCEO、グレーム・ベアードセル氏は、「富士通は、コンピューティングの将来に向けたイノベーションを強化しており、量子コンピューティング技術においても継続的な投資を行い、他者との戦略的なコラボレーションを活用して、世界初の誤り耐性量子コンピュータの開発に向けた世界的な競争の最前線に立っています。オーストラリアは、量子コンピューティング分野に対する明確な国家戦略があり、富士通はそれに貢献していきます。私たちは量子コンピューティング技術を開発するだけでなく、それらをもとに、企業や研究機関とのコラボレーションを促進しており、次の量子コンピューティング技術のブレークスルーは、世界中の優秀な研究者のネットワークからもたらされると信じています。」と述べています。

オーストラリア国立大学副学長(研究・イノベーション担当)のラックラン・ブラックホール教授は、「富士通オーストラリアとの覚書締結は、量子コンピューティングを含む新技術に関する高等教育を推進するオーストラリア国立大学の指針に基づくものであり、オーストラリア国内での量子コンピューティング分野の研究者育成を促進するものです。オーストラリア国立大学は、本覚書の締結が同大学の強みである量子光学と量子アルゴリズムの研究の発展につながることを期待しています。さらに本覚書は、基礎量子物理学分野の研究を支援することにもつながり、これは量子コンピューティング技術の可能性を広げ、量子コンピューティング技術を実用化するために大きく貢献するものであると考えています。」とコメントしています。

# 持続可能な社会への貢献



富士通は、量子コンピューティング技術の開発を通じて、社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能なものにしていくことを目指しています。今回のオーストラリア国立大学との協業は、この目標達成に向けた重要な一歩となるでしょう。


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