箱根で体験する日本文化『リョカンス』の魅力と未来
神奈川県箱根町に位置する旅館、株式会社金乃竹が手掛ける新プロジェクト『リョカンス』は、2024年1月からスタートし、独自の日本文化体験を通じて宿泊者に新しい価値を提供しています。元々はバカンスを意味する『リョカンス』は、旅館での滞在を充実させるために、訪れる客が和のアクティビティを楽しみながらくつろげるように設計されています。
『リョカンス』の特徴と魅力
『リョカンス』では、茶道、浴衣の着付け、戦国時代を彷彿とさせる甲冑体験など、日本文化に根付いた独特なアクティビティを提供しています。特に注目されるのは、プロのカメラマンによる写真撮影がセットとなった着物レンタルプランです。これにより、体験をただ楽しむだけでなく、その想い出を形に残すことができます。
プロジェクトの背景と目的
金乃竹がこのプロジェクトを立ち上げた背景には、宿泊日数の延長を目指す意図があります。『リョカンス』は、訪れる客が日本の伝統文化に触れることで、宿泊体験を豊かにし、これにより宿泊回数の増加を狙っています。宿泊日数が増えれば、チェックインやチェックアウト、清掃業務の効率化を図ることができ、さらには人手不足という旅行業界の課題にも少なからず貢献することが期待されます。
また、社内副業制度を取り入れており、スタッフ一人ひとりの専門性や経験を活かした文化体験を提供しています。これにより、スタッフの自己成長とサービス向上を実現しています。
実績と顧客の声
『リョカンス』はスタートから約80名の客に利用され、特に茶道体験への高い関心が寄せられています。参加者のうち6割は茶道体験を選び、特に石臼を使って抹茶を挽くプロセスが人気です。顧客満足度が確実に向上していることが実感でき、導入前の宿泊日数と比較して平均7.41%の増加を達成しました。
フランス人のカップルは、実際に体験した茶道について次のように語りました。「日本に来る前にフランスで抹茶を飲んだことがありましたが、本日の抹茶は非常に美味しかった。マスターの所作も見事ですごく楽しかったです。」このような声が、旅館における文化体験の価値を明確に示しています。
今後の展望
『リョカンス』の運営は継続しており、今後も新たな体験プランを企画し、顧客ニーズを捉えて宿泊日数を向上させる方針です。特に、『松坂屋本店』ではインバウンド客をターゲットにした餅にフォーカスした新プランを試作中です。さらに地域住民や訪れた旅行者と協力し、この取り組みを広めることで、持続可能な観光業の発展を目指します。
概要
金乃竹は1947年に創業し、現在は箱根に5つの旅館と3つの飲食店を運営しています。旅館は「くつろぎ」と「文化体験」を融合させ、遊び足りない大人たちに最適な空間を提供し続けています。リラクゼーションと文化体験の両方を楽しめる箱根の『リョカンス』が、ますます注目される存在となるでしょう。