大卒若手社員の実態調査結果
学校法人産業能率大学総合研究所が実施した調査により、大学卒業後1~3年目の若手社員の働き方やキャリアに関する認識が明らかになりました。調査対象者は758名で、正社員または正職員として勤務している男女が対象です。
離職希望の実態
調査の結果、現在の勤務先に「ずっと勤めたい」と回答した人はごく少数で、51.5%が離職を希望していることが判明しました。さらに、64%の回答者が「機会があれば他の会社に転職してみたい」と考えており、これは多くの若手社員が転職を真剣に検討していることを示しています。
離職理由
離職を考えている理由として最も多かったのは、「賃金が低い」という回答で、全体の39.1%がこの選択肢を選びました。次いで「肉体的・精神的負担が大きい」が26.3%、そして「仕事内容が自分に向いていない」が21.2%と続きます。特に賃金の低さは多くの人々の大きな懸念であり、企業側はこの問題に真剣に向き合う必要があります。
希望するキャリア
若手社員が欲する将来のキャリアパスについて尋ねたところ、「一般職」が最多の44.2%であることが分かりました。一方で「管理職」や「専門職」に希望を持っている人はそれぞれ16.5%と14.4%にとどまり、上級職を目指さない傾向が浮き彫りになりました。また、総合職を希望する人も19.5%と少数派でした。
必要な能力開発
若手社員が特に強化したいと考えている能力は「コミュニケーション力」で38.8%という結果が出ています。続いて「論理的に考える力」23.5%、そして「情報を収集する力」が23.0%と続いており、コミュニケーションを重視していることが示されました。
働く上での重要な要素
働く上で何を最も重要と感じているかも調査され、その結果、「高い賃金を得ること」が40.5%で最多という結果になりました。次いで「成長できること」が30.2%であり、実際の生計を立てられる程度の賃金を重視する層も多く、賃金に関する価値観の二分化が見受けられます。
調査概要
この調査は2024年8月1日から8月7日の間にインターネットを通じて行われ、758名(男性224名、女性531名、その他3名)の有効回答が得られました。若手社員の現状とニーズを把握するためには、こうしたデータが非常に重要な意味を持ちます。
この調査結果からは、若手社員の離職希望がどのような要因から生じているのか、また何を求めているのかが明確に示されています。企業はこれらの情報を踏まえて、若手社員が長く勤め続けられる環境作りを進めていく必要があるでしょう。