フジッコのCSR広告が目指すもの
神戸市に本社を構えるフジッコ株式会社は、黒豆製品のリーディングブランドとして、消費者に和食文化の重要性を伝え、健康的な食生活を促進するための活動を展開しています。この度、2025年12月に放映予定の「丹波黒黒豆」のTVCMでは、従来の製品訴求中心の内容から、食育活動や和食文化の継承についての情報を中心にしたCSR広告へと方針を変更します。
フジッコのパーパス・ビジョン
フジッコは「5つの健康」を企業のパーパスとして掲げており、その中には「健康提供」や「健康社会」の理念が含まれています。この活動の中で、黒豆を通して日本の食文化の発展と社会貢献を目指しています。特に、全国に黒豆を広めることに尽力しており、自社のCSR活動に力を入れています。
黒豆の歴史と現代的意義
フジッコは「黒豆奉納実行委員会」を立ち上げ、江戸時代に篠山藩から黒豆が徳川幕府に献上されていた歴史を再現するイベントを、2023年より上野東照宮で開催しています。この黒豆奉納式は、今年で約160年ぶりの復活を遂げており、参加者には多くのメディアにも取り上げられるなど、地域の風物詩として確固たる地位を築いています。
黒豆奉納式の様子
今年も12月9日に丹波篠山で出立式を行い、12月12日には上野東照宮での奉納式が行われました。奉納式には徳川家広氏や俳優の松平健氏が参加し、新穀豊穣の報告とともに、黒豆生産者の健康を願う祈りが捧げられました。特に松平氏には、黒豆を収穫する「黒豆鞘取り」を行っていただき、その重要性を現代に引き継いでいただく一幕もありました。
新たなCM広告の内容
今後放映されるTVCMは、商品そのものの魅力を売り込むのではなく、社会貢献活動に重点を置いた内容に変更されます。具体的には、黒豆市場全体の活性化や和食文化の継承を目的としており、特定の商品の紹介を避けて「黒豆」のもつ普遍的な魅力を伝えていきます。
黒豆の健康効果
黒豆は、現代人が不足しがちな栄養素を豊富に含む健康食品として注目されています。これを広く知ってもらうことで、消費者の需要が喚起され、和食文化をより多くの人々に楽しんでもらうことが目指されています。
食育活動による文化の保護
ユネスコ無形文化遺産に登録された和食は、食文化の西洋化の影響で危機にさらされています。フジッコは、このような状況に立ち向かうべく、学校向けの食育プログラムを展開しています。「豆つかみゲーム」や「黒豆栽培体験」など、様々な活動を通じて子供たちに栄養バランスを学ばせ、健康な日本の食文化の維持に寄与しています。
未来に向けた施策
そして2024年からは新たに小学校低学年向けの食に関する教材を作成し、その配布を行う計画があります。これにより、かなりの数の子どもたちにリーチし、和食文化の知識が広まることを期待されています。教材は学生だけでなく、大人にも有用な情報として評価されています。
まとめ
フジッコ株式会社が推進するCSR活動は、ただ利益を追求するのではなく、文化の保護や食育、健康的な生活の実現に寄与することを目指しています。日本の食文化を未来へつなげるためのこの取り組みから目が離せません。