アンリツが新たに導入したEVバッテリ評価ソフトウェア
アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、電気自動車(EV)向けのバッテリーテスティングソフトウェア「Power HILプラットフォームソフトウェア」を新発売しました。このソフトウェアは、EVバッテリの充電と走行を模擬する能力を持ち、試験条件の設定から実行、モニタリング、データ分析まで一元的に管理することができ、開発者にとって非常に貴重なツールとなるでしょう。
ソリューションの概要
「Power HILプラットフォームソフトウェア」は、主に2つの部分から成り立っています。まず一つ目は、試験条件の設定や実行を行うソフトウェアそのもので、二つ目は、dSPACE製のHILシミュレータ「SCALEXIO」と、高砂製作所が製造する双方向直流電源「RZ-X2シリーズ」を制御するための電源制御モデルです。この組み合わせにより、充電時や走行時の電力挙動を試験ベンチでリアルに再現し、EVバッテリの開発効率を向上させます。
開発の背景
EVバッテリの評価には、航続距離、充電性能、安全性、耐久性などの様々な要素が考慮される必要があります。しかし、実際の車両や試作車を用いたテストは、設備の確保や高コスト、試験条件の再現性の確保といった課題が常に存在していました。また、充電試験と走行試験を別々に行う場合、試験環境の切り替えやデータ統合が必要となり、その労力は膨大です。
アンリツは、高砂製作所が持つ高出力電源の技術とHIL(Hardware-in-the-Loop)によるモデルベースのシミュレーションを組み合わせることで、充電と走行評価を一つの効率的な環境で実施可能とする「Power HILプラットフォームソフトウェア」を開発しました。
特徴と利点
このソフトウェアの主な特長は以下のとおりです。
1.
一元管理: 充電模擬と走行模擬の試験条件を一つのインターフェースから操作でき、試験の効率が劇的に向上します。
2.
充電規格への対応: CHAdeMO、CCS Type1、CCS Type2、NACS、GB/Tなど、様々なDC急速充電規格に対応しており、地域や車種による違いを超えて共通の環境で評価が可能です。
3.
柔軟な評価環境: 開発目的に合わせて、dSPACEのモデルと連携し、必要な条件を再現できます。
4.
可視化とデータ分析: 試験中の様々なデータをリアルタイムで表示し、過去データとの比較を行えるため、評価の透明性が向上します。
5.
双方向直流電源の直接制御: SCALEXIO向けの電源制御モデルにより、ユーザーの持つモデルと連携して評価が可能になります。
導入による効果
「Power HILプラットフォームソフトウェア」を導入することで、試験条件の再現性が向上し、準備作業やデータ整理にかかる工数を削減できます。また、試作回数の削減にも寄与し、全体的な開発期間やコストを最適化できます。さらに、設備の稼働の最適化も期待され、環境に配慮した持続可能な開発が進むことでしょう。
製品ラインアップと価格
「Power HILプラットフォームソフトウェア」には、基本ソフトウェア「EX6201-S001A」をはじめ、充電模擬オプション「EX6201-S002A」、走行模擬オプション「EX6201-S003A」が含まれます。それぞれの充電模擬は主要な規格に対応し、走行模擬はWLTCに準拠しています。
製品の価格はシステム構成によって異なるため、詳しくはアンリツに直接お問い合わせください。
最後に
アンリツ環境計測カンパニーは、長年にわたる通信技術とパワーエレクトロニクスの経験を活かし、持続可能な社会と産業の実現を目指して、先進的かつ信頼性の高いソリューションを提供し続けています。