女性の健康を支えるウェアラブルデバイスの活用と研究成果
2025年2月22日、株式会社テックドクターが、女性の月経周期に合わせたバイタルデータと頭痛の関連性に関する研究を発表しました。「頭痛の日」にあたるこの日は、多くの人々にとって重要な意味を持つ日でもあります。
日本における頭痛の現状
日本では、片頭痛の有病率は男性が約3.6%、女性は12.9%に上ることが調査により明らかになっています。驚くべきことに、女性は男性のおよそ3.6倍の確率で片頭痛に悩まされています。これにより、女性の健康問題としての着目が高まっています。
近年、女性ホルモンと片頭痛の関係性が指摘されており、特に月経期とその前後で頭痛の発生頻度が高いことが研究によって示されています。このため、テックドクターは月経周期に伴うバイタルデータの変化を分析することを決定しました。
研究の内容と方法
テックドクターは、14名の女性社員を対象に、2023年8月から2025年2月の間にデータを取得しました。使用したのは市販のウェアラブルデバイス「Google Fitbit」で、睡眠や活動、脈拍などのデータを収集しました。また、月経周期や自覚的な頭痛についてのアンケートを実施しました。
月経周期は以下の3つの期間に分類されます:
- - 月経期:月経が行われている期間
- - 黄体期:月経開始前の7日間
- - 卵胞期:月経終了後の5日間
研究結果
事例1:頭痛の発生タイミング
グラフに示された結果によると、頭痛が起こる日が月経周期のどのタイミングで多いのかが分かります。最も多く頭痛が発生したのは月経期であり、その次に黄体期が続きます。これは過去の研究からも確認されている結果であり、女性ホルモンの低下時期に頭痛が多くなることを裏付けています。
事例2:睡眠と頭痛の関連性
また、調査の中で、「頭痛があった日」と「頭痛がなかった日」の睡眠時間比較も行われました。頭痛があった日の平均睡眠時間は498分、なかった日は458分という結果が出ており、40分の差が確認されました。このことから、頭痛によって日常生活に影響が及ぼされている可能性が指摘されています。
事例3:具体的な参加者の睡眠データ
具体的なケースとして、AさんとBさんのデータを見てみます。Aさんのデータでは、頭痛が発生した日の大半が月経期または黄体期にあたることが示されました。一方、Bさんは、頭痛のあった日の睡眠時間が短く、翌日に長い睡眠を取る傾向が見られています。
まとめと今後の展望
この研究結果は、頭痛が月経周期に深く関連している可能性を示唆しています。テックドクターは、今後もこのデータを基に、より多くのデータを解析し、個々の体調をより良く理解できる方法を模索していきます。また、性別を問わず、痛みや生活の質(QOL)を向上させるデジタルバイオマーカーの開発も進めており、早期発見や適切なケアに繋げることを目指しています。
この研究プロジェクトに関する詳細は、テックドクターのブログでも公開されています。
テックドクターの概要
株式会社テックドクターは、医療とデジタル技術の融合に取り組む企業で、ウェアラブルデバイスから集めたデータを活用して、健康とウェルビーイング向上を目指しています。企業の基本情報として、2019年に設立され、東京都中央区に本社があります。
興味がある方は、ぜひテックドクターの公式ウェブサイトを訪れてみてください。