埼玉県吾野地区でホタル再生を目指すプロジェクト始動

「吾野地区ホタル保護プロジェクト」始動！

埼玉県飯能市にあるリゾートホテル「休暇村奥武蔵」は、地域のホタルを再生させるための新たな取り組みを始めました。このプロジェクトは、吾野地区まちづくり推進委員会、埼玉環境科学国際センター、そして休暇村奥武蔵という三者による共同事業で、2025年6月中旬にホタルの飛翔を目指しています。

プロジェクト発足の背景

吾野地区は、清流「高麗川」を有し、毎年6月下旬にはホタルが舞う美しい風景が広がっていました。しかし2019年に発生した台風19号は地域の生態系に深刻な影響を与え、以降ホタルは姿を消してしまったのです。台風による水環境の変化や水草の減少などが影響し、その結果、翌年からホタルが見られない状態が続いたのです。

このような状況を打破し、再びホタルの乱舞を観るための活動として始まったのが「吾野地区ホタル保護プロジェクト」なのです。特に重要な課題は、ホタルの幼虫の成長に必要な水生生物、カワニナの確保です。

具体的な取り組み内容

プロジェクトの第一の課題は、地域の環境を整えることです。吾野地区にはかつて雑木林が広がっていましたが、現在はスギやヒノキが主に占めるようになり、雨水の保水性が失われたため、川の生態系に直接的な影響を与えています。
かつての環境を取り戻し、ホタルが成虫になった際に上れる苔の生えた岩や水草の環境を再生するため、具体的な措置が取られています。

カワニナの繁殖についても、温度管理などをしっかり行い、過去の失敗を教訓に着実に進める計画が立てられています。実際に、高麗川の環境を調査し、繁殖のための適した場所を選定する作業も行われています。

今後の展望

プロジェクトの今後の活動計画としては、カワニナを4月下旬に放流し、5月にその定着を確認した上で、6月中旬にはホタルの成虫の確認を目指します。特に、ホタルの観賞会を実施し、地域への理解促進を図る予定です。

次回のプロジェクト活動は、カワニナの放流を目指して4月下旬に行われる予定で、専門家の協力を得ながら、より効果的な活動に取り組むことが期待されています。

地域の魅力とホタルの未来

吾野地区は美しい自然環境が魅力で、リゾートホテル「休暇村奥武蔵」もその一環として、地域資源を活かしたプログラムを提供しています。ホタルが戻ることで地域の魅力も再び高まり、多くの観光客を呼び込む要素ともなるでしょう。自らの風景を守っていくための活動は、地域全体にとっても重要な意味を持っています。

国立公園や国定公園などに囲まれたダイナミックな自然美が広がる中で、ホタルが再びその姿を見せる日を心待ちにしたいものです。地域の皆さんや、観光客と一緒に、美しいホタルの乱舞を再び楽しめることを切に願います。