安田倉庫、余剰電力循環型太陽光PPA導入の背景と意義
最近、安田倉庫株式会社は、持続可能なエネルギー利用を促進する取り組みとして、余剰電力循環型の太陽光PPA(電力販売契約)を初めて導入しました。この取り組みは、再生可能エネルギーの効率的な利用を目指すものであり、安田倉庫九州営業所に設置された自家消費型太陽光発電設備の稼働とともに実現しました。
本取組みの背景
安田倉庫グループは、2030年までにCO₂排出量を2022年度比で30%削減する目標を掲げ、持続可能な社会への貢献を重要な課題としています。これまでにも自家消費型太陽光発電やオフサイトPPAなど、再生可能エネルギーの導入を進めてきましたが、今回の余剰電力循環型太陽光PPAはその一環として位置付けられています。
物流施設は通常、広い屋根面積を持ちますが、電力使用量が少ないため、自家発電によって発生する余剰電力を有効活用することが課題とされてきました。そこで、サーキュラーグリーンエナジーが提供するこの新しいサービスを利用することで、余剰電力が効率的に管理され、他の電力利用者への供給が可能となります。
本取組みの概要
安田倉庫が導入した余剰電力循環型太陽光PPAによれば、年間の電力供給量は約566,000kWhに達します。このうち、約339,000kWhは安田倉庫九州営業所で自家消費され、残る約227,000kWhはアイ・グリッドを通じて他の電力利用者に供給されます。この取り組みにより、安田倉庫は営業所の消費電力の約41%を再生可能エネルギーでまかない、年間で約157,000kgのCO2排出量削減が見込まれています。
また、余剰電力として供給される約227,000kWhは、CO2フリー電力として流通し、国内全体での再生可能エネルギー普及にも寄与します。
持続可能な社会を目指して
安田倉庫は今後も、地域社会や環境への貢献を重視し、JA三井リースグループおよび農林中央金庫との協力のもと、農業や流通などの分野で再生可能エネルギーの普及を推進していく方針を示しています。このような取り組みは、企業の持続可能性を高めるだけでなく、地域づくりにも良い影響を与えることが期待されています。
この余剰電力循環型太陽光PPAの導入は、安田倉庫にとって大きな一歩であり、今後の事業展開において持続可能なエネルギー利用のモデルケースとなることを目指しているのです。