70代以降の働き方
2023-12-06 11:00:02
高齢社会における70代以降も働く意欲を探る調査結果
高齢社会における70代以降も働く意欲を探る調査結果
最近、リクルートマネジメントソリューションズは「一般社員の会社・職場・仕事に関する意識調査」の第2弾を発表しました。この調査は、70代以上で働きたいと考える人々の意識や背景について深く掘り下げた結果を示しており、現在の社会における高齢者の雇用の在り方について重要な示唆を提供しています。
調査から見えた働きたい意欲
調査によると、70代以降も働きたい人は全体で14.2%にのぼりました。これは意外にも多く見えるかもしれませんが、実際には60代までには引退したいという考えを持つ人の割合が依然として高いことが浮き彫りになりました。特に、20代や50代の年代では、「70代になっても働きたい」と考える人は少数派であり、60代までには引退するという精神的なイメージが強いことが分かります。
年齢別の意識の違い
興味深いのは、調査結果が年代によってどれだけ異なるかでした。特に40代や50代の人々は、現在の仕事が自分の成長に繋がると感じている場合、70代以降も働き続けたい意欲が高いことが分かりました。これは両年代に共通しており、現状の職場や自身の成長を重視する傾向があることが確認されました。
40代前半の意識
40代前半では、「今の仕事を通じて成長できている」という意識が特に強く、これが70代以降も働きたいと考える要因となっています。また、職場環境が適切であり、経営資源が適切に配分されていることも大事な要素です。現在の職場環境に満足している人の中には、70代以降も働き続けるという意欲が高まる傾向が見られました。
40代後半の特徴
次に、40代後半の人々に関しては、社会や顧客への貢献感が働きたい意識に大きな影響を与えていることが明らかになりました。この年代は自己のキャリアに対する不安が高まりやすい時期でもあり、社会に貢献している実感が長期間働くことへのモチベーションに繋がっているようです。
50代前半・後半の視点
50代前半では、年収に満足している人が多く、今後働く意欲が低くなる傾向が見られました。一方で50代後半に差し掛かると、会社の理念やビジョンに共感し、職場での成長が実感できる環境であれば、70代以降も働き続ける意欲が高まることが示唆されました。組織としてのサポートが、長期にわたって働く意義にも繋がるわけです。
モチベーション・リソースの重要性
調査の中で特に注目されたのが「モチベーション・リソース」です。これは、働く意欲の源泉とも言えるもので、モチベーションが高まる要因には、フィットした職務に就いていることが挙げられます。具体的には、45歳から59歳にかけて、長く働きたいという意欲が高い人ほど、自分の仕事がモチベーションに合致していると感じていることが確認されました。これは、企業が従業員の特性に応じたロールや職務を期待し、適切な仕事の意義を伝えることが重要であることを意味しています。
今後の社会的な背景
日本は少子高齢化が進む中、高齢者の雇用環境が改善されつつあります。2021年に施行された改正高齢者雇用安定法においては、70歳までの雇用が努力義務となりましたが、実際に70代以上でも働きたいと考えるかは各個人の意識によります。調査を通じて、モチベーションの充足度や仕事の成長実感が、70代以降も働く意欲に深く関与していることが浮き彫りになりました。
今後、社会がより多くの高齢者が生き生きと働くことができる環境を構築していく必要があります。現役での就業を希望する高齢者の皆さんが、自身の力を発揮できる場所を見つけるために、職場環境の改善や成長支援が求められるでしょう。
すべての世代がいきいきとした職場環境を求め、長期にわたって働くことができる社会が実現することを期待しています。
会社情報
- 会社名
-
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
- 住所
- 東京都港区芝浦3-16-16住友不動産田町ビル東館4F
- 電話番号
-
0120-878-300