ダイセルがDMノバフォームを事業承継
2023年3月27日、株式会社ダイセルは、長野県に本社を構えるDMノバフォーム株式会社の全株式を譲渡され、正式に事業を承継したことを発表しました。この動きは、企業の雇用維持と企業文化の尊重を最優先に置いた意思決定とされています。
ダイセルとDMノバフォームの背景
ダイセルは、大阪市に本社を置く企業で、化学製品を中心に多岐にわたる事業を展開しています。一方、DMノバフォームは1967年に設立され、高発泡プラスチックを用いた緩衝材の製造と販売を行っている会社です。特に農業用と工業用の製品群に強みを持ち、包装用クッション材では国内トップの出荷量を誇り、流通の安全性を担っています。
事業承継機構は、「転売なし、統合なし、移転なし」の理念を持ち、DMノバフォームの企業文化を守るための譲渡先として選ばれました。代表取締役社長の小山亨氏は、譲渡を通じて、雇用維持だけでなく、地域の長期的な発展にも寄与する意向を示しています。
事業承継機構の取り組み
株式会社事業承継機構は東京都に本社を構え、「日本の中小企業を次世代へ残す」という大使命のもと、さまざまな事業承継問題に取り組んでいます。独自の「事業承継プラットフォーム®」を通じて、永久保有を前提とした形で様々な企業の承継を実現してきました。
設立からの6年で40社以上の金融機関と連携し、23社の中小企業を承継してきた実績があります。この成功事例は、持続可能な企業を目指す上での新しいモデルとして注目されています。
DMノバフォームの製品と展望
DMノバフォームの主力製品には、環境に配慮した緩衝材があり、特に農業用資材「ノバキャップ®」が有名です。持続可能な製品を開発することで、地域社会と取引先に信頼され続けることを期待されています。
同社は、長野県内に加え、青森工場や岡山工場といった全国に広がる製造拠点から高品質な製品を安定供給する体制を整えています。この強固なフットワークは、地域密着型の企業として大きなアドバンテージとなるでしょう。
未来への展望
今後、事業承継機構はDMノバフォームの経営支援を行い、さらなる成長を目指します。また、雇用の維持と地域貢献の両立を基軸にした取り組みを継続し、100年先まで事業が継続できる運営方針を掲げています。
このような取り組みは、アートであったりエンターテイメントであったりといった多様な業種の枠を超え、全ての企業が持続可能な成長を遂げるための道筋を示すものといえるでしょう。