パナソニックとRightTouch、生成AIによるVoCデータの自動化プロジェクト
株式会社RightTouch(東京都港区)は、パナソニック株式会社エレクトリックワークス社と共に、生成AIを活用して顧客の声(VoC)データの分析と活用を自動化する新しい試みに着手しました。これは、コンタクトセンターで収集される膨大な問い合わせデータを加工・分析し、より良い顧客対応を実現することを目的としています。
背景と目的
現在、パナソニックのコンタクトセンターには年間約60万件の問い合わせが寄せられています。このため、顧客のニーズや期待、不満をいち早く把握し、効率的な対応を行うことが求められています。これまで、テキストマイニングツールを使用してVoC分析を行ってきましたが、現行のツールでは限界がありました。主な課題は、キーワード抽出や分類に留まるために、背景にある顧客心理やニーズを深く理解することが難しかったことです。
このプロジェクトでは、「RightVoC by KARTE(β版)」を導入し、生成AIによる高度なデータ分析を実現します。特に注目されるのは、通話音声データを自動でテキスト化し、構造化データとして分析する機能です。これにより、従来の手入力業務の手間を削減し、リアルタイムでのデータ反映を可能にします。
RightVoCの主な機能
1.
自動テキスト化: AIが通話音声を自動でテキスト化し、効率的にデータ化します。これにより、オペレーターの手間を減らすだけではなく、過去の複雑な会話内容をもデータとして活用できるようになります。
2.
高精度な自動分類: 右ボイスによる自動分類機能は、問い合わせ理由や顧客の要望を的確に抽出します。これにより、業務プロセスが大幅に簡素化され、主観的な判断に頼らない客観的なデータ分析が可能になります。
3.
迅速なPDCAサイクル: 約5,000件のVoCを1時間で処理できるため、ほぼリアルタイムにデータが反映されます。これにより、日々の問い合わせに対して即座に改善策を考えることが可能になります。
期待される効果
今回の実証実験に関して、パナソニックのCXイノベーションセンター三好氏は、「RightVoCにより、音声データを自然で具体的な情報に分類し、ビジネスに直結するインサイトを迅速に得られることを期待しています」と述べています。生成AIの導入により、VoCを通じた顧客理解が深まり、商品やサービスの開発に直結する新たな仕組みが構築される見込みです。
将来的な展望
パナソニックとRightTouchのこの取り組みは、業界全体においても大きな影響を与える可能性があります。生成AIによるVoC分析の活用は、顧客サービスの質を向上させ、企業の競争力を強化するための新たな推進力となるでしょう。顧客の声を単なるデータとしてではなく、実用的なインサイトにつなげるこの試みが、これからのカスタマーサービスのあり方を変えていくことに期待が寄せられています。
詳細情報は、
RightVoC by KARTEをご覧ください。