フィリピンでの廃棄物火災とJICAの国際協力
フィリピン共和国マニラ首都圏のナボタス市で、廃棄物処理場における大規模な火災が発生しました。この火災は、廃棄物内部で燃焼が続くという深刻な状況を引き起こし、市の住民や環境に影響を及ぼす可能性がありました。この緊迫した事態に対し、独立行政法人国際協力機構(JICA)は、国際緊急援助隊(JDR)の専門家チームを現場に派遣し、消火活動や廃棄物管理に関する支援を行いました。
専門家チームは、2023年4月23日、成田空港を出発。ナボタス市では、作業に当たる消防隊員と連携しつつ、消火活動に関する技術的なアドバイスを行いました。具体的には、空気の流入を遮断することで燃焼の進行を抑える対応を助言し、現地で陣頭指揮に当たっていたのは、過去にJICAの研修で消火技術を学んだ消防士でした。その信頼関係が、迅速な対応を可能にしたと言われています。
火災の発生は、廃棄物層内部にまで達しており、表面のみを覆い固める方法では効果が不十分であると認識されていました。そこで、専門家チームは、斜面の上部からではなく、下部から土を投入・転圧し、酸素の流入経路を絶ちつつ、段階的な整地作業を実施するように提案しました。この方法により、火災の鎮静化が進み、煙の発生も少しずつ減少していったのです。作業は7日間にわたり行われ、最終的には成功裏に帰国しました。
活動が行われた期間中、現地では二酸化炭素などの大気モニタリングも実施されており、消防隊員や作業員の安全確保のための助言も行われました。熱中症や二次災害を防ぐ観点から、作業時間やマスク着用の重要性が強調されました。このような現場での経験は、JICAにとっても新たな知見となりました。
JICA地球環境部の碓井副団長は、フィリピン側の協力を非常に評価し、支援活動がスムーズに進んだことを強調しました。"