新たな樹脂板「ABSM2」の誕生
株式会社クラレが新たに開発した複層樹脂板「パラフォーミング®」ABSM2が、2024年8月より試験販売を開始し、松屋のドライブスルー筐体への採用が決まりました。この製品は、耐候性と強度が求められる屋外用途に最適な素材です。
開発の背景
近年、多くの業界で金属の代替素材として樹脂の利用が拡大しつつあります。特に屋外に設置される筐体に求められる条件は、耐候性や強度に加えて、デザイン性も非常に重要です。ユーザーからは、マット調の仕上げやより広幅な製品の要求が高まっており、これに応える形でABSM2が登場しました。
特長について
ABSM2は、PMMAとABSの層を重ね合わせて作られています。この構造により、成形性や強度が向上すると同時に、耐候性も確保されています。
面状は平滑で、マット色仕上げのため、熱成形後もその特性を損なうことがありません。この特徴によって、太陽光や車両のヘッドライトからの光反射を低減することができ、視覚的な負担を軽減します。
さらに、製品幅は最大1,450mmまで対応可能で、従来より約1.5倍の広さを実現しています。また、カラーは骨白、黒、グレーの3色を展開し、厚さは3mmと5mmのオプションがあります。
想定される用途
この新製品の用途は多岐にわたっており、ドライブスルーの筐体の他にも、農業機械や建設機械、自動車部品、アミューズメント機器などでも利用されることでしょう。たとえば、ドライブスルーの筐体では、耐久性が求められる場面に最適な選択肢となります。
今後の展望
クラレは、2025年度中の本格的な販売開始を目指して準備を進めており、この食品業界での採用を皮切りに、さまざまな分野での展開を期待しています。ABSM2の持つ特長が生かされ、業界全体に新たな風を吹き込むことでしょう。
新素材ABSM2は、耐候性、高強度、そしてデザイン性の三拍子を揃えた画期的な製品として、今後の進展に大いに期待が寄せられています。