最近、地域コミュニティの活性化や新たな資金源の確保として注目を集めているDAO(分散型自律組織)。これを活用した活動が地域で行われていますが、その実態や闇にはまだ知られていない側面が多く存在します。先日、株式会社あるやうむが主催する「DAOマネ勉強会」で、DAO設計士の澤海渡さんが講師を務め、地域に根付くDAOの設計論について語りました。特に注目すべきは、彼が掲げる「みんなで決めるから凡庸になる」という警告です。その真意やDAOの有効活用法を深掘りしてみましょう。
DAOの本質は国づくりにあり
澤さんは、DAOの立ち上げを国作りに例えています。「DAOをつくることは、国をつくること」と提言し、これまでのDAOが抱えていた想定を覆します。多くの人が「フラットで全員参加」と語るDAOは実際には、自由すぎて逆に機能不全に陥る危険性があるといいます。実際、参加者全員がアイデアを出したり投票して決めるという行為は、しばしば意見の同調圧力を生むだけであり、結果として意見が弱まり、全体の質を下げてしまうことも。
独自の設計思想が必要
・公共事業の構想
・国会の意思決定
・行政の役割
これらの要素を明確に設計することが重要です。特に澤さんが強調するのは、「権限は人に依存するものではなく、その地位に与えられるべきだ」という理念です。つまり、コミュニティ自体がその権限をどう集約するのかを考え、どのように人を参画させていくかを明確にしなければならないのです。
何を求めるのか、明確な「神話」が必要
IDAには、神話が必要です。これは、参加者が何を目指しているのかを共有するための共通の理解や理念を指します。この神話があることで、たとえ個人の目的が異なっても、団体全体としての一体感を持ち、互いに補完し合うことが可能になります。澤さんは「どのような美学を持つのか」、この視点を持っていることが次に重要だと語ります。その美学をもとに、どうやって実践するのかの設計を行えば、進んでいく道筋が見えてきます。
地元コミュニティの特性を理解する
オンラインでは地形がないため、具体的なカスタマイズが難しいですが、地域には特有の性格があり、その特性を理解することもDAOを機能させるうえで欠かせません。澤さんのプロジェクトであるKIBOTCHAは、地域特性を活かしたコミュニティ設計に基づき、実践的な知見を持つ「生態系」を形成しています。これにより、持続可能な形で地域の問題解決に寄与し、新たな信用を構築していく環境が整えられています。
まとめ
DAOの設計士澤海渡さんの講義を通じて、地域DAOを側面から見つめ直す機会を得ました。「みんなで決める」構造が持つ罠に対する警鐘と、しっかりした基盤の必要性を理解することができたと思います。地域にはそれぞれ異なる文化や歴史があり、それを尊重しながらDAOを設計することが、真の地域活性化に繋がっていくでしょう。今後も地域の特性を理解し、DAOを利用した実践を深めていくことが必要です。これからも新たな地域創生に向けてのアプローチが期待されています。