自動運転トラックで物流業界の未来を模索する東レとT2の取り組み
2026年6月4日、東レ株式会社と株式会社T2が自動運転トラックを活用した商用輸送を開始します。これは関東から関西の高速道路を走るトラックで、石油化学品を定期的に輸送するものであり、物流業界における新たな挑戦が始まります。特に、物流業界ではドライバー不足という深刻な課題に直面していますが、自動運転技術がその改善につながると期待されています。
物流業界の現状と課題
現在、物流業界は高齢化や担い手の減少により、ドライバー不足が顕在化しています。さらに「2024年問題」の影響も考慮すると、2030年には輸送能力が現在比で約34%も不足すると予測されています。このような状況下で、東レが取り扱う石油化学品は非常に広範なサプライチェーンを持ち、その供給が滞ると様々な産業に大きな影響を与える可能性があります。
東レはこの課題に立ち向かうため、自動運転トラックの活用による持続可能な物流の構築を目指しています。T2が開発したレベル2自動運転トラックを使った実証運行が2025年9月からスタートし、続いて2026年3月までに4回の実証を行いました。
自動運転トラックの実証結果と商用化
T2の自動運転トラックが既存の運行と同等の輸送品質や安全性を確保できることが確認され、両社は今回の実証結果をもとに商用運行を決定しました。今後は、T2が2027年度から導入予定のレベル4自動運転トラックを用いた幹線輸送を視野に入れた協業を進めていきます。
商用運行の初日から、東レ千葉工場から大阪府茨木市にある物流拠点までの約520kmの区間で、ABS樹脂「トヨラック」を定期的に輸送します。特に輸送区間は東名高速・綾瀬スマートICから新名神高速・茨木千提寺ICまでの約440kmで、輸送能力の確保が期待されています。
環境に優しい輸送手段の選択
また、運行においては環境への配慮も重要なポイントです。従来の軽油にバイオディーゼル燃料を混ぜた低炭素燃料を使用し、廃食油や廃動植物油脂を原料とした「リニューアブルディーゼル燃料」も採用します。これにより、CO₂排出量をほぼ100%削減することが可能になります。
未来の物流に向けた挑戦
東レはこの商用運行を新たなスタートとして、T2と共に自動運転トラックによる持続可能な物流の未来を築くために挑戦を続けます。自動運転技術が市場に受け入れられることで、物流業界の構造が変わり、より効率的で環境に配慮した輸送方法が実現されることが期待されています。物流の未来への道を切り開くこの取り組みが、どのように進化していくのか注目です。