芝浦工業大学とSWCCが連携、女性エンジニア育成へ向け共同取り組み

芝浦工業大学は、2023年の秋、SWCC株式会社と包括連携協定を締結しました。この提携の背景には、理工系における女性の参画を促進し、より多くの女子学生がエンジニアリング分野に進出できるよう支援するという目的があります。

取り組みの背景と目的

芝浦工業大学は、2013年から女子学生を対象にした特別な取り組みを実施しており、女性教員の増加や特別選抜プロセスの見直しなどを行ってきました。また、SWCC株式会社も2021年度より女性の活躍を推進するプロジェクトを立ち上げ、女性管理職の増加を目指したさまざまなキャリア形成サポートや啓発活動を展開しています。これにより、同社の長谷川社長は日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2024」で特別賞を受賞しており、女性の活躍に対する社会的評価も高まっています。

現在、日本における理工学分野卒業の女性比率は23%にとどまっており、OECDによる調査でも工学や建築分野の女性比率は16%と低迷しています。この状況を打破し、将来的に女性エンジニアの数を増やすためには、女子学生や女性研究者の支援が不可欠です。この包括連携協定は、双方の組織が協力して、女性のキャリア形成を促進し、情報交換や人材育成に努めることを目的としています。

具体的な連携内容

今回の連携により、以下のような取り組みが行われます：

- 人材育成を目的とした知識や情報の交流
- 多様な文化や教育に関連するプログラムの推進
- 女子学生や女性研究者へのキャリア支援の強化

これらを通じて、女性がより多くの分野で活躍できる未来を展望します。

今後の活動予定

2024年5月21日には、芝浦工業大学豊洲キャンパスにおいて、東京藝術大学のアーティスト、スプツニ子！氏をゲストに迎え、「Cultural Kaleidoscope: 多彩な文化が織りなす企業の未来」と題した講演会を共同で開催する予定です。これにより、文化の多様性が企業活動やエンジニアリングに与える影響を探ります。

芝浦工業大学について

芝浦工業大学は、東京都と埼玉県に2つのキャンパスを持つ理工系の大学で、工学部、システム理工学部、デザイン工学部、建築学部、大学院理工学研究科を有する教育機関です。約9500人の学生が在籍し、グローバル教育や産学連携に力を入れており、2027年の創立100周年に向けて、アジア工科系大学のトップ10を目指しています。

SWCC株式会社について

SWCC株式会社は、電線やケーブルの製造販売を行う企業で、創業は1936年です。現在、東証プライム市場に上場しており、資本金は約242億円、従業員数は連結で約4000名を誇ります。環境に配慮した製品開発や女性活躍推進に力を入れています。

この連携を通じて、芝浦工業大学とSWCC株式会社は、女性が活躍するための基盤作りに貢献し、未来のエンジニアリング界をリードする存在となることを目指します。