静岡銀行と日立が生成AIの技術検証を開始
株式会社静岡銀行と日立製作所、さらに静銀ITソリューションの三者は、ミッションクリティカルなオープン勘定系システムに生成AIを適用するための技術検証を始めました。このプロジェクトは、静岡銀行のオープン勘定系システムに新機能を追加するためのものです。2021年に日立と静岡銀行が共同で開発したこのシステムは、アプリケーション構造が全面的に刷新され、オープン化が進められた結果、開発生産性が35%向上したと報告されています。
プロジェクトの背景
近年、金融業界は急速に変化する経営環境に対応するため、デジタル技術やデータの活用を進めており、特にDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みが加速しています。その中で、フルスタック開発に必要な人材を確保し、開発プロセスの効率化を図ることが求められています。静岡銀行と日立は、伝統的なアプローチを超えて、生成AIの技術を取り入れることで、金融機関の基盤を支えるシステム開発のさらなる効率向上と高信頼性の実現を目指しています。
技術検証の具体的内容
今回の技術検証は、静岡銀行が日立と共同で開発したオープン基盤の上にある勘定系システムにおいて、生成AIを適用します。検証開始時点では、主に設計、製造、各種テスト工程の中の製造・単体テストに焦点を当てます。具体的には、詳細設計書を元にして生成AIが自動的にソースコードやテストケースを生成し、その生成物を日立のエンジニアたちが検証する形で進む予定です。さらに、システム開発にかかる業務知識やプロジェクト情報を整理した知識データベースを作成し、生成AIの適用範囲を広げることを目指します。
今後の展望
静岡銀行、静銀ITソリューション、日立は、今後さらに生成AIの技術を広く適用していく計画です。製造・単体テストだけでなく、要件定義や影響調査などの上流工程でも生成AIを用いることで、全体的な開発プロセスの効率化を進めていく方針です。また、静岡銀行のシステム全体への生成AIの適用も検討されています。各社は、この生成AIの成果を「OpenStage」などのオープン勘定系システムにも展開し、他の金融機関におけるシステム開発のモダナイゼーションを積極的に支援していく考えです。これは、環境の変化に柔軟に対応し、迅速な経営戦略と多様な金融サービスの提供を可能にします。
静岡銀行・静銀ITソリューション・日立について
静岡銀行は、2022年10月に持株会社体制へ移行し、地域の課題解決に向けた多様なサービスを提供しています。「人的資本経営」を重視し、地域共創戦略やトランスフォーメーション戦略を展開中です。
静銀ITソリューションは、しずおかフィナンシャルグループのIT提供を担う企業で、システム開発や運用支援を行い、地域社会に寄与する企業を目指しています。
日立製作所は、社会イノベーション事業を中心に、データと技術を駆使して持続可能な社会を創造しています。DX支援やエネルギー、鉄道など多様な領域で貢献しています。
お問い合わせ
興味がある方は、静岡銀行や日立の公式ウェブサイトから詳細情報を入手することができます。この取り組みが生む新たな金融サービスへの期待が高まっています。