NCSOFTとVNGが新たな合弁会社を設立
韓国のゲーム開発企業NCSOFTが、ベトナムの総合IT企業VNGと共同で新たな合弁会社「NCV GAMES」を設立しました。これは、東南アジア市場への本格的な進出を目指すための重要な一歩です。合弁会社の設立発表は、8月6日にベトナム・ホーチミンにあるVNGキャンパスで行われました。合同記者会見には、NCSOFTの代表である金澤辰氏とVNGの代表リー・ホンミン氏が参加し、両社のビジョンを共有しました。
多様なビジネスを展開するVNG
VNGは2004年に設立され、ベトナム初のユニコーン企業として知られる歴史があります。彼らは、モバイルメッセンジャーアプリ「ザロ(Zalo)」の開発と運営を行っており、オンラインゲームや電子決済など多岐にわたる事業を手がけています。VNGのゲーム部門である「VNGGames」は、東南アジア全域において130種類以上のゲームをサービスしており、その中にはMMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)も含まれています。特に、アジア地域でのゲーミングスタジオの運営に関しては、主要都市に11か所もの拠点を持つなど、その存在感は増す一方です。
合弁会社の目的と展望
新たに設立されたNCV GAMESは、NCSOFTの知的財産(IP)を基に、東南アジア地域でのサービスと運営を担当します。合弁会社は、シンガポールに拠点を置き、2024年下半期に「リネージュ2M」を初めとしたゲームサービスを提供開始する予定です。ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、シンガポール、フィリピンの主要6か国において、ゲームの配信を行う計画を進めています。
NCSOFTの金澤辰氏は、「VNGはゲーム業界に限らず、メッセンジャーやデジタル決済など多岐にわたるビジネスを展開しており、現地市場への理解が深い。そのため、NCSOFTのゲームと組み合わせて新たな体験を提供できる理想的なパートナー」と語りました。彼はさらに、NCV GAMESがNCSOFTの東南アジア市場における革新の舞台となることを期待しています。
NCSOFTとVNGのコラボレーションの重要性
VNGのリー・ホンミン氏も、NCSOFTの技術力とVNGGamesの実績を組み合わせることで、東南アジアのゲーマーに対してブロックバスター級のゲームを提供する準備が整ったと述べました。彼は、「2006年に『リネージュ2』の3Dゲームを体験したときの感動は今でも忘れられない。いつかそのようなゲームをベトナムに提供したいと思っていたが、今回の協業を通じてその目標が実現可能になる」と熱意を語ります。
この合弁会社の設立は、両社にとって新たなビジネスの可能性を開くものであり、東南アジア市場においても影響力を持つ存在となるでしょう。これからのNCV GAMESから目が離せません。