キッコーマンとSprocketのコラボレーション
近年、企業が消費者との信頼関係を深めるために、顧客経験(CX)の向上が重要視されています。特に、日本の食品業界において、キッコーマンが注目に値する取り組みを進めているのです。キッコーマン株式会社は、CX改善プラットフォーム「Sprocket」を導入し、ファンの育成に成功しています。
「消費者本位」の理念
キッコーマンは、1973年から本格的にレシピ提案を展開し、独特の「消費者本位」の経営理念のもとを成長を遂げてきました。特に「おいしい記憶をつくりたい。」というスローガンを掲げることで、お客様との親密な信頼関係を築くことを目指しています。顧客体験価値の向上に注力し、リアルとデジタルの組み合わせによる双方向の交流を重視しています。
課題の克服
一方で、同社のレシピサイト「ホームクッキング」には課題が残されていました。多くのユーザーがサイトを一度訪れただけで再訪しないことが多かったのです。キッコーマンは、顧客体験を向上させるために、サイト改修を行うことなく、新たな情報提供の手段を模索していました。そこでSprocketが導入されたのです。
Sprocketは、充実したサポート体制と多様な分析手法を駆使しており、ユーザー心理を深く理解するための強力なツールです。少人数の運用チームでも、これによりユーザーに最適なレシピ提案が可能になりました。
ファン育成への取り組み
キッコーマンは、レシピサイトを通じたブランドファンの育成を目指して、さまざまな施策を実施しています。具体的には、アンケート調査を用いてレシピサイトのファンとキッコーマンブランドのファンとの関係性を明確にし、ブランドへの関心を高めるステップを踏みました。調査の結果、ファン度の高いユーザーは特定のサイト内行動をとりやすいことが明らかになりました。
このデータをもとに、カスタマージャーニーを可視化し、それに合わせた機能やコンテンツの利用を促進することがなされました。会員登録の促進も行われ、結果的に特定のサイト行動の改善率は最大で7%向上したことが報告されています。
多方面からの効果
これらの施策は数値的な成果だけでなく、ユーザーからのフィードバックを通じてもレシピサイトの体験向上につながっています。キッコーマンの松野裕介氏は、Sprocketのコンサルタントとの協力で「ホームクッキング」が目標に向かって大きく進展していることを嬉しく思うとし、特に施策の効果検証と改善提案の重要性を強調しています。
今後は、AIやデジタル技術を駆使して、料理を楽しむ人々に寄り添ったコミュニケーションを進め、さらにパーソナライズされたレシピ提案を行うことが目指されています。キッコーマンは「こころとからだの健康」の支援を行いながら、ファンを拡大していく計画を立てています。
Sprocketの特徴
CX改善プラットフォーム「Sprocket」は、MA・CDP・BIなどの機能を持ち、データを活用して顧客理解を深めることを目的としています。個々の顧客に最適化されたコミュニケーションを可能にし、全体的な顧客体験の最適化を実現します。また、このプラットフォームは、株式会社Sprocketが提供しており、マーケティング活動の支援を行うことをミッションとしています。
このように、キッコーマンの取り組みは、最新のテクノロジーを駆使しつつ、顧客とのコミュニケーションを強化することで、新たなブランドファンの育成を図るものとして、大いに注目されています。