石巻地域の高校生が挑む『街ミッション』
毎年、宮城県石巻地域の高校生が社会課題に取り組む実践型フィールドワーク『街ミッション』が開催されています。このプログラムは、地域社会の課題解決を目指し、地元の企業や団体と協力して行われており、高校生たちが実際に地域の問題を理解し、自らの手で解決策を考える機会としています。
背景と目的
石巻西高等学校は東松島市に位置し、1985年の設立以来、地域の教育に貢献してきました。最寄り駅からのアクセスも良く、石巻市やその周辺から多くの生徒が通学しています。学校のスローガンは『自由と創造』。生徒の自主性を重視した教育方針のもと、多彩な地域連携活動が展開されています。
この地域は、震災の影響を大きく受けており、復興に向けた新しい取り組みが続けられています。その中で、『街ミッション』は地域の実情を学びながら、実践的な解決策を探求する重要な場となっているのです。
プログラムの内容
『街ミッション』は、地域企業や団体が提示する社会課題に対して高校生がチームを組んで取り組む形で進行します。各チームは、事前学習を経て選んだミッションに取り組み、最終日は提案発表を行います。参加する高校生は、日常の授業では得られない貴重な体験を通じて、社会への理解を深め、キャリア形成にもつながるのです。
実際のミッション例
例えば、あるチームは地域の活性化を目指して『楽しいおばけ屋敷を企画せよ』というミッションに挑戦しました。この企画では、高校生たちが子供と大人をつなぐアイデアを持ち寄り、地域イベントを通じて交流を深めることを狙いました。
もう一つの例としては、地元の水産業を知ることを目的に、『水産業1日バイト“すぎょバイ”』のプロジェクトがあります。高校生たちは、実際に水産業の現場を体験し、その魅力を伝えるためのコンセプトやビジュアルを作成しました。
開催概要
『街ミッション』は、2025年12月3日から5日の間、石巻市と東松島市を中心に38の事業所で実施されます。1日目には事業所見学やディスカッションが行われ、2日目にはグループでの解決策検討、最終日には企業への提案発表が行われます。参加人数は石巻西高等学校の1学年160名で、多様な活動が行われます。
昨年度の参加者の声
昨年度の参加企業からは、「震災を知らない世代と交流でき、震災の伝え方を考える機会になった」との感想が寄せられました。また、高校生の独自のアイデアが大人にとっても新鮮であると評価されるなど、互いに学びあう貴重な時間となっています。
結論
石巻地域の高校生が地域の課題解決に向けて努力する『街ミッション』は、単なる体験学習ではなく、実践を通じて社会に貢献する力を育む重要なプログラムです。地域の未来を担う彼らがどのように成長し、社会と関わっていくのか、今後の展開が楽しみです。