新潟の循環型農園が創る地域活性化と持続可能な未来
新潟県柏崎市に位置するシモダファームは、国内初の排熱利用による循環型農業プロジェクトを展開中です。この取り組みでは、同社の産業廃棄物焼却施設で発生する熱を再利用し、高品質のブランドバナナ「越後バナーナ」の栽培を行っています。2019年の設立以来、この事業は地域活性化を目指す重要なステップとなってきました。
シモダファームでは、焼却施設から毎分200リットルもの熱湯が発生します。この排熱を用いることで、通常のボイラーや加温機によって賄われる熱源を大幅に削減。我々の取り組みの成果として、年間で約188,323リットルの重油の使用を抑え、電力消費は約4,801kWh、CO2の排出量も約505.01トン削減されているのです。このような環境負荷の軽減に寄与する新しい農業形態は、シモダ産業が掲げる「循環」のテーマを体現しています。
地域の特色を生かした越後バナーナ
越後バナーナは、主にグロスミッチェル種であり、その特徴は、薄い皮と高い糖度にあります。バナナは無農薬で栽培されており、熟成度合いによっては皮も食べられる柔らかさです。この素晴らしい特性を持つバナナは、雪国の厳しい気候条件の中でも育てられ、地域の特産品として注目を集めています。
少子高齢化や人口減少が進む新潟県柏崎市において、シモダファームは「越後バナーナ」を通した地域交流の重要性も強調しています。新潟産の特産品を広めることで、地域の活性化を図り、交流人口を増やしていくことを目指しています。地域の事業者との連携や教育イベントの開催など、さまざまな取り組みを進めており、これらは地域経済の循環につながっています。
シモダファームエリアの創出
新たに計画されている「シモダファームエリア」は、地域内外の方々が集まる場所を目指しています。農園の特産である越後バナーナを生かしたスイーツやお菓子の開発が進められ、訪れた人々にしか味わえない特別な体験を提供することが計画されています。また、地域産品を取り入れた販売スペースや、子どもから大人まで楽しめるワークショップも予定されています。
このエリアでは、柏崎市の特産物や独自の文化も紹介され、地域と観光客との交流が深まることを期待しています。さらに、地元大学との共同研究を通じて、越後バナーナの生産量や付加価値向上を図るとともに、シモダファームが提案する持続可能な理念を広めていく予定です。
5周年イベント「Bana-na Sweets Table」
このような取り組みを発表したシモダファームは、越後バナーナ栽培事業が5周年を迎えた記念として、「越後バナーナ5th Anniversary Bana-na Sweets Table」を11月19日に開催しました。食のプロを招き、越後バナーナを用いた特別スイーツを提供し、参加者にその魅力を伝えました。このイベントは、シモダファームの持続可能な取り組みを広める絶好の機会となり、多くの新たな可能性が生まれる瞬間でもありました。
食のプロたちの声
参加した食のプロたちからは、越後バナーナの使用について高い評価が寄せられました。「越後バナーナは、香りや甘味が強く、特に加熱することで甘味が増します。バナナの皮まで楽しむことができるため、食材としての新たな可能性を広げることができました」といった声が上がりました。彼らは地域の特産を生かした創造的なスイーツを通じて、持続可能性に対する理解を深めてほしいという思いを伝えました。
シモダファームは、これからも地域活性化と持続可能な農業を両立させるために、新たな一歩を踏み出していくでしょう。