AVEVAと川崎重工が深化させる戦略的パートナーシップ
産業用ソフトウェアのリーダーであるAVEVAが、川崎重工業との提携を強化し、設計システムの最適化を目指しています。この発表は、デジタルトランスフォーメーション(DX)と持続可能な発展を進めるための重要な一歩を示しています。
パートナーシップの背景
造船・海洋業界は、脱炭素化や設計要件の複雑化といった厳しい課題に直面しています。その一方で、人材不足も問題となっており、設計プロセスの変革が急務です。このような状況の中で、AVEVAと川崎重工は昨年末に契約を結び、次世代設計システム「AVEVA Unified Engineering」の導入を進めています。
具体的な取り組み内容
まず艤装分野では、1D(設計仕様)、2D(配置図)、3D(空間設計)をシームレスに統合する「Engineering Module」が導入されます。このシステムは、デジタルツインの基盤を構築し、設計から製造までのプロセスを一貫して管理できるようにします。
さらに船殻分野においても、先進的な船殻CADシステム「E3D Module」の採用が決定しました。このシステムは、船殻情報をフルデータベース化し、設計から生産に至るデータ活用を最大限に推進します。
これらの新システムの導入にあたっては、韓国・釜山にある「AVEVA Marine Center of Excellence」を活用し、現場のフィードバックをもとに機能開発に反映させます。こうした取り組みは、より実戦的な設計能力を高めることに繋がります。
両社のコメント
川崎重工執行役員の荻野氏は、「新たなソリューションの導入により、船舶設計の環境が向上し、プロセス全体の革新が進むことを期待しています」と述べました。これに対してAVEVAのChris Lee氏は、「デジタル造船の最前線で30年以上協業してきた両社による新たな取り組みが、造船・海洋分野全体の効率化を促進する」と強調しています。
さらに、AVEVAの日本統括・佐々木氏は、「日本市場は造船・海洋エンジニアリングで世界的に評価されています。今回の提携を通じて、デジタル化が加速し、次世代のものづくりへの基盤を築く重要なステップと言えるでしょう」とコメントしています。
AVEVAとは
AVEVA社は、産業用ソフトウェアの分野においてグローバルリーダーを誇り、世界各国において資源の持続可能な活用を促進するイノベーションを提供しています。世界中の2万社以上の企業がAVEVAの技術を利用しており、そのセキュアなクラウドプラットフォームは、データの価値の最大化と各種パートナーとの連携を支えています。
今回の提携は、製造現場のデジタル化がもたらす効率化と持続可能性向上に寄与するものだとされています。今後も、AVEVAは最新の技術を駆使して日本市場を支え続ける姿勢を見せています。