立教大学の新しい学びのアプローチ
立教大学の「立教サービスラーニング(RSL)」は、学生が社会の現場での実体験を通じて学びを深めることを目的としたプログラムです。この中の一環として、「RSL-グローカルA」という授業が開講され、学生たちは実際に荒川での河川ごみ問題に取り組むフィールドワークを行います。
フィールドワークの概要
2024年2月4日から9日までの間、立教大学の学生20名が参加し、荒川の現状を観察し、清掃活動を実施します。このプログラムでは、座学での学びだけでなく、実際に河川の現場を目の当たりにしながら、さまざまなアプローチで持続可能な社会に向けた解決策を考えます。
フィールドワークの内容は、マイクロプラスチックの観察、河川行政に関するレクチャー、企業との協働による清掃イベントの運営など多岐にわたります。特に重視されるのは、現実の社会課題に対してどのようにアクションを起こすかという点です。
各日の活動
- - 2月4日(火): 社会課題を動画で伝える方法、金融機関のサステナビリティについて学びます。参加者は、実際に荒川の河川敷でマイクロプラスチックを観察。
- - 2月5日(水): 荒川知水資料館で、国土交通省荒川下流河川事務所の職員から河川行政についての詳しいレクチャーを受けます。
- - 2月6日(木): 河川清掃イベントのための安全管理に関する講義を受けると同時に、製造業のサステナビリティについて学ぶ機会を設けています。
- - 2月8日(土): 学生自身が運営する荒川清掃イベントを実施。この日の活動には公募で集まった約50名が参加予定です。
- - 2月9日(日): 活動の振り返りと、広報用の素材撮影が行われます。
河川ごみ問題の深刻さ
河川や海洋に漂流・堆積するごみの多くは、実は街から流れ出ていることが知られていません。社会課題としての河川ごみ問題の本質を理解するため、参加者は自らの目で現場を見つめ、問題の解決に向けた探求を行います。具体的な環境の変化やその影響を実感することで、学生たちは何を感じ、どのように行動に移すかが求められます。
荒川クリーンエイド・フォーラムの取り組み
荒川清掃イベントでは、特定非営利活動法人荒川クリーンエイド・フォーラムが主催しており、これまで30年以上にわたり、荒川のごみ問題に真剣に取り組んできました。活動にはこれまでに26万人以上が参加し、環境問題についての関心を高めています。また、同団体は海ごみゼロアワードの最優秀賞を受賞するなど、持続可能な社会の実現に貢献しています。
大学での学びと実社会の架け橋
学生にとってこのプログラムは、単なる学びではなく、自らの専門性を深めるための重要な機会です。「答えのない問いを考える」ことが大学教育の一部とされる中で、環境問題に関する実体験は、今後のテーマ探求や専門的な学びの鍵となります。立教大学のフィールドワークは、参加者にとって貴重な体験となることでしょう。