三菱ケミカルグループが香川県坂出市の香川事業所にて、使用済みタイヤを利用したケミカルリサイクルの新たなプロジェクトを始めることが発表されました。この取り組みは、環境問題への対応が求められる中、循環型経済に寄与するものとして期待されています。
現在、タイヤ業界ではサステナブルな原材料への需要が高まっており、特にゴムの補強剤として使用されるカーボンブラックについては、再生原料へのニーズが増しています。三菱ケミカルグループはサプライチェーンの利点を活かし、破砕した使用済みタイヤをコークス炉に投入することで、生産したタールからカーボンブラックを再生することが可能です。これにより、使用済みタイヤから生まれたカーボンブラックは、タイヤメーカーにとって重要な原料として再利用されます。
この取り組みは世界初の試みであり、再生された資源循環型カーボンブラックは通常品と同水準の性能を持っています。これにより、タイヤの水平リサイクルが一層促進されることが期待されています。具体的なスケジュールとしては、2024年7月に使用済みタイヤをコークス炉に投入し、実証実験をスタート。2025年度内には資源循環型カーボンブラックの販売を始め、年間数千トンの販売を見込んでいます。
さらに、2030年度には年間数万トン規模の販売を目指しています。これにより、三菱ケミカルグループは自動車及びタイヤ業界のサーキュラーエコノミーへの貢献を目指します。このリサイクル技術の確立は、メーカーが環境負荷を軽減し、持続可能な開発に寄与する上で重要な一歩となるでしょう。
三菱ケミカルグループは、今回の事業化を通じて革新的なリサイクルシステムの構築を推進し、次世代の製品開発の道を切り開いていきます。今後の進展に注目したいところです。詳細は公式サイトでご確認いただけます。