松家仁之の新作小説『天使も踏むを畏れるところ』発表イベント開催!
今回は、松家仁之氏による待望の新作小説『天使も踏むを畏れるところ』についてお届けします。この作品は、戦後日本の皇居における新宮殿造営を背景にした壮大な物語です。松家さんは、先月刊行された文庫版『火山のふもとで』で多くの読者に注目され、その後この最新作が3月26日に新潮社から刊行されることが決まりました。この作品を通じて、松家さんは建築と人間ドラマが交錯する繊細な視点を提供します。
小説の内容について
『天使も踏むを畏れるところ』は、1945年5月の終戦間近に、皇居内の明治宮殿が空襲によって焼失した後の物語です。戦後の復興とともに新たな宮殿の建設が望まれる中、昭和天皇の意向が強く影響します。敗戦から15年、民主主義が浸透した日本において、この象徴たる新宮殿の造営は、画期的なプロジェクトとなるのです。
この壮大な計画には、建築家・村井俊輔を中心に、さまざまな立場の人物たちが集まり、それぞれの視点から物語が展開されます。建設省から宮内庁に派遣された技官や、天皇の侍従、美智子妃と親しい園芸家女性など、多彩なキャラクターが織りなす人間模様が、物語に深みを与えています。松家氏は、建築だけでなく、それを取り巻く人間関係や歴史的背景を丁寧に描き出し、読者に「小説を読む歓び」を提供しています。
イベント情報について
新作の刊行を記念して、紀伊國屋書店新宿本店とジュンク堂書店池袋本店にて特別なトークイベントが開催されます。
- - 紀伊國屋書店新宿本店では、2025年3月29日(土)に建築家・堀部安嗣氏を迎え、「新宮殿」造営にまつわる魅力的な話題が展開される予定です。参加には事前にチケットを購入する必要がありますが、特典として松家氏のサインを直接受け取ることができます。
- - ジュンク堂書店池袋本店では、2025年4月22日(火)に名古屋大学の河西秀哉准教授をお招きし、皇室と日本社会の歴史的変遷についてのトークが繰り広げられます。こちらもオンライン視聴チケットも販売されるため、遠方の方も参加しやすくなっています。
松家仁之氏の思い
松家仁之氏は、単なる建築の視点からではなく、様々な角度から新宮殿造営の物語を立体的に表現したいと語ります。「百年に一度あるかないかの国家的プロジェクトでも、関与する一人一人の声に重みがある」との思いを胸に、彼はこの作品に全力を注いでいます。
彼の描くこの作品は、理想の建物の影に隠れた人間模様と、戦後日本の歴史の変遷を映し出す貴重な資料となるでしょう。ぜひ、松家仁之氏の最新作『天使も踏むを畏れるところ』を手に取り、その深遠な世界に浸ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
松家仁之氏の新作小説、皇居「新宮殿」の魅力に迫るこの作品は、今後のイベントと合わせて、多くの読者に新たな感動を与えることでしょう。興味を持たれた方は、是非書籍を手にし、その内容を楽しんでください。