ノボ ノルディスクがリサイクルプロジェクト「ReMed™」を拡大
ノボ ノルディスク ファーマ株式会社は、2024年8月5日から日本初となる使用済みプレフィルド型ペン型注入器のリサイクルプロジェクト「ReMed™」の試験運用を拡大すると発表した。この取り組みは、同社が提供する医療機器のリサイクルを通じて持続可能な環境作りを目指すものであり、多くの患者にとっても新たな選択肢となる。
プロジェクトの背景と目的
「ReMed™」は、医療現場で使用されるプレフィルド型ペン型注入器を対象に、そのプラスチック部分をリサイクルするプログラムである。一般的に、これらの注入器は糖尿病治療に使用され、多くの患者が在宅で自己注射を行っているが、その廃棄物の多くは焼却や埋立によって処理されていた。
ノボ ノルディスク ファーマは、こうした状況に危機感を抱き、環境に配慮した新たなリサイクルの選択肢を提案。その目的は、プラスチック廃棄物を減少させ、持続可能な資源循環を実現することにある。
拡大の内容と運営フロー
今回の拡大により、埼玉県の特定地域を新たな収集対象に加えて、プログラムの運用を行う。患者は指定薬局で特別な収集ケース(リターンバッグ)を手に入れ、使用済みの注入器を安全に保管、持ち込むことで新しいエコサイクルに参加可能である。
具体的な運用フローは以下の通り:
1. 患者は指定薬局でリターンバッグを受け取る。
2. 自宅で使用済みの注入器をリターンバッグに保管。
3. リターンバッグがいっぱいになったら、次回の薬局訪問時に持参する。
4. 薬局で注射針が外れているか確認した後、回収される。
このプロセスを通じて、リサイクルされたプラスチックは有用な製品や材料へと再生されることになる。
環境戦略「Circular for Zero」
ノボ ノルディスクの取り組みは、「Circular for Zero」という環境戦略の一環として位置付けられている。この戦略は2030年までにサプライヤーからの全供給を100%再生可能エネルギーにすることを目指しており、持続可能なビジネスモデルへの転換を図るものである。
代表取締役社長のキャスパー ブッカ マイルヴァンは、「環境への影響をゼロにすることがノボ ノルディスクの目標であり、『ReMed™』プログラムはその重要な取り組みの一環です」と強調。このプログラムは、医療現場における環境問題に対する解決策を提供するもので、今後も展開が期待される。
国内外での展開
「ReMed™」プログラムは国内だけでなく、デンマークや英国、ブラジルなど各国でも運用が開始されている。すでに大きな成果を上げており、ノボ ノルディスクは今後もさらなる国々での展開を計画している。
ノボ ノルディスクは、持続可能な社会に向けた取り組みを加速させており、今後も環境問題への真摯な姿勢が求められる時代にあって、このリユース&リサイクルの流れが大きな力を持つことを期待されている。
参加方法
「ReMed™」プログラムに参加希望の患者は、指定された薬局を通じてリターンバッグを受け取り、自宅で安全に保管し、次回の薬局訪問時に持ち込むことで手軽に参加することが可能である。詳細な情報は、ノボ ノルディスクの公式ウェブサイトで確認できる。
このような先進的な取り組みにより、ノボ ノルディスクは医療業界におけるイノベーションと環境課題の両方にコミットしている。患者、医療従事者、そして社会全体がこの変革に参加し、より持続可能な未来を共に築いていくことが求められている。