日本の女性科学者を支えるロレアルの取り組み
2021年度、第16回「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」の受賞者が発表されました。この賞は、物質科学や生命科学の分野で優れた貢献をした若手女性研究者を顕彰するもので、過去には多くのノーベル賞受賞者を輩出した実績があります。受賞者にはそれぞれ奨学金が授与され、さらなる研究活動を後押しされています。
女性研究者の現状と課題
日本における女性研究者の割合は16.9%とOECD諸国の中で最も低く、国際的な視点から見ても依然として課題が多い状況です。この状況には、女性が理系の精神に向いていないとの固定観念や、社会的なステレオタイプが影響を及ぼしていると考えられています。これに対抗し、ロレアルは女性科学者の支援を通じて、科学界の多様性を推進しています。
ロレアルの全国的な取り組み
ロレアルは1998年に世界的な「ロレアル-ユネスコ女性科学賞」を設立し、以降110カ国以上から多くの女性科学者を表彰してきました。その中にはノーベル賞受賞者も含まれており、彼女たちの研究や貢献がいかに重要であるかが示されています。日本国内でも、2005年に「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」を創設し、若手女性研究者が学問を追求できる環境を整えています。
2021年度受賞者の紹介
2021年度の受賞者は、物質科学分野から大小田結貴さん(東京大学)と門脇万里子さん(東北大学)、生命科学分野から大久保祐里さん(名古屋大学)と永田理奈さん(京都大学)の計4名です。
- - 大小田結貴さんは、誕生して間もない星の発見に関する研究で目覚ましい成果を挙げました。
- - 門脇万里子さんは、炭素鋼の材料特性に関する研究により、高耐食化を実現した実績があります。
- - 大久保祐里さんは、植物の肥料吸収のメカニズムに関する解明で、持続可能な農業の実現に貢献しています。
- - 永田理奈さんは、がん制御に関する研究で、細胞の正常性維持の仕組みを明らかにしました。
これらの受賞者たちは、国際的な学会での発表や共同研究などを通じて、様々な視点を取り入れた研究を展開しています。こうした活動は、ただ単に成果を上げるだけでなく、女性研究者としての次世代のロールモデルを育成する役割も果たしています。
ジェンダー平等達成への第一歩
日本ロレアルのシャリトン社長は、「科学はロレアルのDNAである」と話し、ジェンダー平等を追求する意義を強調しました。「長い道のりだが、多様性の実現が人類の繁栄につながる」との言葉が印象的でした。授賞式においては、彼女たちの研究が持つ潜在能力が次の世代へ良い影響を与えることが期待されています。
未来への希望
このように、「ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞」は、女性研究者のさらなる活躍の場を提供し、科学界の多様性を推進する貴重な取り組みです。科学界の未来を担う女性たちの活躍に期待を寄せ、彼女たちの志を応援したいと思います。