三機工業、横浜市と共にMABR技術の研究を開始
三機工業株式会社(社長:石田博一)は、横浜市および日本下水道事業団と共同で新しい汚水処理技術の研究を始めました。この取り組みは、2025年12月5日に「MABR併用型活性汚泥法による既存水処理施設の能力増強技術の開発」という名前で共同研究協定が結ばれ、MABR(Membrane Aerated Biofilm Reactor)を活用した性能確認のプロジェクトが進行中です。
このMABR技術は、下水処理の能力を高める可能性に満ちた新しいアプローチです。MABRは、反応タンクに生物膜を形成し、その膜に直接酸素を供給することで、汚水中の有機物を効率的に処理します。これは、既存の水処理施設に導入することで、その処理能力を大幅に向上させることが期待されています。
研究の概要と目的
共同研究の主要な内容は以下の通りです:
- - 研究名称:MABR併用型活性汚泥法による既存水処理施設の能力増強技術の開発
- - 研究場所:横浜市北部第二水再生センター
- - 研究期間:2025年12月5日から2026年6月30日まで
- - 目的:MABR併用型活性汚泥法のパイロットプラントを用いた実下水での性能評価
このプロジェクトでは、横浜市北部第二水再生センターに設置されたパイロットプラントを用いて、実際の下水を使った性能評価を行います。研究の結果、特に水処理能力の増強、省エネルギー性、ライフサイクルコスト(LCC)の削減に焦点を当てています。
期待される研究成果
研究の成果として、以下のような重要な目標が設定されています:
1.
処理能力の増強:MABRを用いることで、水処理能力が従来技術の1.5倍以上に増加することが目指されています。
- 横浜市が進める水再生センターの再構築において、この技術が重要な役割を果たすことが期待されています。
2.
省エネルギー性の向上:電力消費量を従来技術よりも10%以上削減し、運転コストの削減にも寄与します。これにより、CO2などの温室効果ガスの排出も抑制することができ、環境保護に貢献します。
3.
ライフサイクルコスト(LCC)の削減:施設の導入から廃棄までにかかる総費用を10%以上削減することを目標としています。これにより、長期的なコストを抑えることが可能になります。
三機工業は、今後も環境インフラ分野における技術開発を通じて、持続可能な社会の実現へ貢献することを目指しています。MABR技術の研究は、ただの技術革新にとどまらず、未来の世界における水資源の持続可能な管理にも繋がるのです。