NTTドコモが発表したモバイル社会白書2025年版
株式会社NTTドコモが運営するモバイル社会研究所は、2010年から2025年までの16年間にわたるモバイルICTの利用動向を網羅した「モバイル社会白書2025年版」を発表しました。この白書は、通信業界の利害から独立した見地からモバイルICTの影響を広く解析し、その成果を社会に還元することを目的としています。
2025年版の白書では、モバイル機器の所有状況や小中学生のSNS利用率の変化、さらに新たに調査された生成AIや金融関連サービスの利用状況が盛り込まれています。モバイル社会研究所は、毎年行うオリジナル調査をもとにしたデータをもとに、従来の調査結果を更新し続けています。
白書の主な調査内容
1章では、モバイル端末の所有状況について、年々の変化を提示しています。特にモバイル端末の台数やブランド別の所有率に注目が集まります。2章では、連絡手段や情報の取得方法に関する進化を示し、デジタルコミュニケーションがどのように生活に影響を与えているのかを探ります。
3章ではネットショッピングや動画配信サービスの利用率にスポットを当て、消費行動の傾向を分析しています。特に、パンデミックにより急速に発展したオンラインショッピングの状況は興味深いデータを見せてくれます。また、5章では携帯電話のマナーやセキュリティ対策の進化についても触れています。
防災アプリのインストール状況に関する調査も行っており、特に自然災害時におけるICTの役割が強調されています。さらに、小中学生のSNS利用率の変化についても詳細に報告されています。近年、若年層のデジタルメディアへのアクセスが増え続けていることから、確かに重要な調査項目です。8章では、シニア世代のスマートフォン所有率の変化についても焦点をあて、時代の流れを感じさせます。
生成AIと金融サービスの新たな調査
特に注目すべきは、主なトピックスとして4章に掲載された生成AIおよび金融関連サービスに関する調査です。ここでは生成AIの利用用途や期待、不安、さらにファクトチェックの実施状況について詳しく述べられています。また金融関連サービスにおいては、ネットフリマやQRコード決済の利用動向についても分析されています。この情報は、今後のデジタルサービスの方向性を見極める上で非常に貴重です。
巻頭言には、東京大学名誉教授の廣瀬通孝氏が執筆した「DXと社会調査」が掲載され、デジタル変革が社会調査にどのように影響を及ぼしているかについて洞察が示されています。また、コラムセクションでは、スポーツ視聴やネット配信に関する考察があり、より詳細な情報が提供されています。
調査方法とデータの信頼性
今回の調査は2025年1月に実施され、全国の15歳から79歳の男女を対象にし、6,962サンプルを収集しました。このデータは性年代や地域ごとに分けられており、幅広い視点からの洞察を可能にしています。また、SNSの利用者行動や金融に関する特化したテーマの調査が行われている点も見逃せません。
このように、モバイル社会白書2025年版はマーケットの未来を見据える上で非常に重要な情報源です。今後もモバイルコミュニケーションがもたらす社会的・文化的影響についての研究を続け、得られた成果を社会に還元し続けるとしています。
モバイル社会白書2025年版はこちらで公開されています。 ぜひご覧ください。