アサヒグループが提案する食の未来
アサヒグループジャパン株式会社は、明治大学の宮下芳明研究室との共同研究を通じて、飲食体験の革新を目指した2つの技術を開発しました。この成果は、2025年8月25日から開催される「エンタテインメントコンピューティング2025」で発表される予定です。アサヒグループは、個々のニーズに応じた飲食体験の提供を目指しており、今回の研究はその重要な一環となります。
技術の概要
開発された技術は、以下の2つに分けられます。
1.
風味・食感の再現と栄養素のパーソナライズ技術
2.
香りの調合による多様な飲料体験の創出技術
これらの技術は、アサヒグループの素材管理や設計技術と、宮下研究室の味覚メディア技術を融合させた結果、個人に最適化された飲食体験を提供することを目指しています。
風味の再現と健康的な選択肢
「制約を乗り越えるおいしさ」の追求
健康を気にしながらも、美味しいものを食べたいというニーズに応えるために、風味や食感の再現技術が重要です。この技術には、以下のような具体的な手法が含まれています。
ゾルフードプリンタ
粉末と液体原料を混合することで、多様な風味を具現化します。アサヒグループの風味設計の経験を活かし、複雑な味わいを実現。
栄養素自動添加デバイス
AIを活用して、食事から不足している栄養素を見極め、自動的に補完するシステムを構築。低カロリーで充実した食体験を提供します。
この技術を活用することにより、低カロリーの豚骨風ラーメンやカスタード風スイーツなどを提供し、健康的な選択を可能にします。
パーソナルな飲み物体験
インターフェースの進化
個々の好みやライフスタイルに応じたユニークな飲食体験を実現するには、便利なインターフェースが不可欠です。以下の技術がその実現を支えます。
香料調合デバイス
数十種類の香料を自動で調合し、まるで異なるコーヒーを飲んでいるような体験を提供します。
探索型スマートフォンアプリ
利用者が新しい味を探索できるインターフェースを提供し、偶然の発見を促進します。
希少なコーヒー品種や未体験の風味を再現するための技術が、個別化された飲食体験を提供します。
未来の食文化に向けて
アサヒグループの研究は、個々に最適な食体験を提供することで「食の未来」を大きく変えることを目指しています。「食の My New World」の実現は、健康的で豊かな食生活を楽しむための第一歩といえるでしょう。今後、技術の応用範囲を広げ、酒類や飲料、食品の既存領域に加え、さらに多くの分野へと発展させていく計画です。
新たな事業戦略
アサヒグループは、2023年1月に新しい事業開拓のための「Future Creation Headquarters」を設立しました。この新部門では、介護用アプリの提供や宇宙ビジネスへの投資、大学との共同研究など、多岐にわたるプロジェクトを進めています。このように、技術革新と新たな挑戦を通じて、既存事業とのシナジーを生み出し、業界のリーダーとしての地位を確立し続けています。