障害者雇用の現状と課題についての意識調査
株式会社エス・エム・エスが行った「障害者雇用に関する実態調査」は、全国157名の担当者を対象に実施され、障害者雇用の現実を浮き彫りにしました。この調査は、2026年の法定雇用率引き上げを控えた重要な時期に行われ、企業の障害者雇用に関する期待と実情を確認することを目的としています。
調査の背景と目的
企業は、厚生労働省の見解に基づき、雇用率の達成のみならず、障害者が実際に活躍できる職場環境の構築が求められています。障害者雇用の担当者は、経営層からの期待を理解しつつも、実務においてはさまざまな困難に直面しています。本調査は、その現状を明らかにすることを目的としていました。
主要な調査結果
1.
経営層の期待: 担当者が期待されている最重要項目は「雇用率の達成」で65.6%、次いで「採用後の戦力化」が58.0%と高い支持を受けています。
2.
担当者の権限: 自分で予算の執行や人員配置を決定できる担当者は33.8%にとどまり、大半は上司の承認が必要な状況です。
3.
業務の兼務: 約72.6%の担当者が他業務と兼務しており、障害者雇用の専任担当者はわずか26.1%となっています。これは十分なリソースを持つ担当者が少ないことを示しています。
4.
サポート人員の不足: 障害者雇用の業務においてサポート人員が「十分」と答えたのは19.1%にすぎません。残りの80.9%は人手不足を感じています。
5.
相談・協力体制の不足: 社内外での相談・協力が得られる体制が整っていると答えたのは35%にとどまり、大多数が不十分な体制を感じています。
6.
職場環境の調整の難しさ: 担当者の約69.4%が配属先との調整に困難を示しており、適切なノウハウが不足していることが確認されました。
7.
最大の障害: 自社での障害者受け入れには「ノウハウ不足」が最大の障壁であり、配属先の専門知識不足が約29.9%に達しました。
課題と今後の展望
調査の結果、障害者雇用に必要な体制が未整備であることが浮き彫りになりました。基礎的なノウハウの不足や、担当者が個人で抱え込みやすい構造が課題となっています。
例えば、「業務の切り出しができない」「十分な人手がいない」といった意見が多く挙げられました。これにより、導入後も障害者が活躍するためのサポートが不足している状況が明らかになりました。
企業は、こうした課題を克服するため、受け入れ体制や職場環境の整備を進める必要があります。特に、障害者雇用の背景を理解し、専門知識を持った外部支援の活用が求められています。
結論
いよいよ法定雇用率の引き上げが迫る中、企業に求められるのは数量的な達成だけでなく、質の向上です。株式会社エス・エム・エスでは、この実態調査を通じて得た知見をもとに、「かべなし 法人向け障害者雇用支援サービス」を提供し、企業の障害者雇用の質的向上を狙っています。
この調査は、障害者の雇用が企業にとっても接点としての重要性を再認識させるものでした。今後の企業における障害者雇用の推進が、社会全体の価値向上にエネルギーをもたらすことが期待されています。