建築の全貌を美しいビジュアルで学ぶ
2025年8月19日、東京書籍株式会社が新たに発売した『図鑑 建築全史』は、古代から現代に至るまでの建築の歴史を網羅し、美しいカラー写真や図版が特徴の一冊です。監修を担当するのは建築史家のバルナバス・カルダー氏。その魅力を詳細に探っていきましょう。
圧倒的なビジュアル性
本書の最大の特徴は、圧倒的なビジュアルの豊かさです。大判のカラー写真がふんだんに使用され、また書物の中で図や引き出し線を用いて建築の要素を解説しています。訪れるだけでなく、見ることで世界の建築を一望することができます。
古代遺跡から現代建築まで
ピラミッドやコロッセウムなどの古代遺跡から、ビルバオ・グッゲンハイム美術館、さらには近代的な建物まで、時代を超えたさまざまな建築物が収録されています。これにより、歴史的建築物だけでなく現代のデザインや技術も学ぶことができます。
地域的多様性の表現
本書は、ヨーロッパや北アメリカだけでなく、アフリカ、中東、アジア、さらには南アメリカの建築物も多数取り上げており、各地域の文化的多様性を紹介しています。これは、従来の建築史の枠を超えて、多様な視点から世界を理解する機会を提供します。
多様なビルディング・タイプの紹介
本書では、公共建築物だけでなく、縄文時代の住居やイヌイットの住居など、さまざまなビルディング・タイプが解説されています。教会や美術館に留まらず、家庭の住居まで幅広い内容がカバーされているため、建築の全体像を把握しやすくなっています。
持続可能性への視点
近代化以降、建築において石炭や石油が引き起こした影響を再評価し、気候問題についても触れています。サステナブルな建築に向けた新たな視点も提供されており、現代における建築の役割について再考させられる内容です。
充実した巻末付録
巻末には「建築要覧」や「用語集」が充実しており、古今東西の建築物と建築家についても解説されています。これにより、立体的に建築の歴史を理解する手助けとなるでしょう。
監修者・著者情報
監修を務めるバルナバス・カルダー氏は、リバプール大学の建築学部の上級講師であり、建築史の研究において高い評価を得ています。また、日本語版の監修を担当するのは五十嵐太郎氏で、建築批評家としても知られています。
まとめ
『図鑑 建築全史』は、建築に興味のある一般の読者はもちろん、学生や研究者にも新たな視点をもたらす一冊です。豊富なビジュアルと詳細な解説を通じて、建築の歴史をじっくりと楽しむことができるでしょう。ぜひ手に取って、その魅力を体感してみてください。
今後の建築のあり方について考えるきっかけとなる一冊です。